- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784595318535
感想・レビュー・書評
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本館開架(放送大学) [仏教 -- 日本]
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三者による分担執筆だが、構成が練られていて、その射程するところも深い。どの著者が欠けても、このような広がりと深さを備えた著作はできなかったろう。
放送大学の教材は、そのときどきに応じて作られ、「過去のまとめ」の機能と「未来と現在への提示」の機能が備わっているのが素晴らしい。その見本とも言うべき著作だ。
・天皇を軸として立てることで、古代日本は、中国とは別の「天下」を確保しようとした。そして、中華に従属しない独自の超越的基礎を樹立するにあたっては、仏教の持つ普遍性が大きな助けとなった。
・悪無限を断ち切ろうとしたのが仏教であり、それを座禅を通じて行おうとしたのが、道元を含めた禅宗なのである。座禅とは、何かのためのものでなく、それ自身で充実した行為である。
・道元:仏道をならふというふは、自己をならふ也。自己をならふといふは自己をわするるなり。
・仏教が、宗教の一つであり、個人の心の営みであるという意味で使われるようになったのは、明治時代以降である。それ以前は仏法や仏道と呼ばれていた。
・近代仏教:個人化と社会化
・西洋にもブッディズムという言葉は近代以前には存在しなかった。
・近世には、僧侶は士農工商の身分の枠の外で寺社奉行管轄下に置かれ、保護されていた。税金も納めてなかった。
・そもそも近世には庶民には姓が認められていなかった家の継続ということにも限界があった。家墓と言って、家単位で墓を作ることは近代になってからであり、近世にはなかった。
・神道が国家神道化して、一般庶民の葬祭に関わる事が出来なくなると、その役割は仏教に期待されることになった。
・死者供養である、盂蘭盆経は中央アジアの成立。
・記紀相互間でも、古代の神話は異なり、さらに日本書紀はいくつもの異説を収めている。
・親房の神国をめぐる言説。 -
18/04/06。