ミッドナイト・ライブラリー (邦訳版:The Midnight Library)
- ハーパーコリンズ・ジャパン (2022年2月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784596319067
感想・レビュー・書評
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私は基本的に、人生に“たられば“はないと思っています。もし○○だったら‥‥あの時こうしていれば‥‥と考えるのはナンセンス!時間の無駄!と思っています。
-----でも、まあ、こんなに鼻の穴を膨らませて言い切るのは、実は誰よりも“たられば“なことばかり考えている時期があったからなのです。
なので、ついつい考えてしまう人の気持ちは120%分かるのです。
本書は、人生のドン底の悲しみを感じている主人公ノーラが自ら命を断とうとすると、不思議な図書館に迷い込み、ここにある数えきれないほどの本は全てノーラが選ばなかった人生であると告げられるお話。数限りない可能性に満ちた選ばなかった人生たちの本の世界に入っていくノーラ。最後にノーラが選んだ本は‥‥。
大事なのは何を見ているかではなく、何が見えているか。
幸せとは何か。自分が求めているものは何か。
ぜひ若い人たちに読んでもらいたい作品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
会社の方から勧められて、楽天で購入した一冊。
Amazonには本が売ってなかったので(^_^;)
電子書籍よりも、やっぱり本で読みたい私(笑)
ノーラの人生は上手くいっていなかった。
飼っていた猫が交通事故で亡くなってしまった。
気持ちはどん底で、勤め先に遅刻をした為解雇されてしまった。
たった一人、ピアノの生徒がいたのだが、レッスンの日を失念し、激怒されてしまった。
親友のイジーにメッセージを送るも、返信すらこない。
過去に兄と一緒にやっていたバンドを辞めてしまい、兄も、バンド仲間の人生も変えてしまいガッカリさせてしまった。
結婚式の三ヶ月前、母親が亡くなり、精神が不安定になり、結婚式の2日前、ノーラは結婚を取りやめてしまっていた。
35歳の今、子供を持たなかったことに後悔があるのか、、、
そんなノーラは自死を決意し、薬を大量服用する。
ノーラが目を覚ますと荘厳な建物の外にいた。他に行く当てもないローラは建物の中に入っていく。
そこは不思議な図書館だった。
哲学と共に語られるノーラの様々な人生。
私には突き刺さらなかったけれども良書であることは間違いない。
ただ翻訳本である為に、ついていけない思考は多かったかな。
人生やり直しても、自分は自分でしかない。
自分の未来は自分が切り開くしかない。
とにかく生きているということが素晴らしいことなんだ。
そんなメッセージを感じとった。 -
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「別の人生」試し最後の選択 [評]八木寧子(文芸批評家)
<書評>ミッドナイト・ライブラリー:北海道新聞 どうしん電子版
https://w...「別の人生」試し最後の選択 [評]八木寧子(文芸批評家)
<書評>ミッドナイト・ライブラリー:北海道新聞 どうしん電子版
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/665097?rct=s_books2022/04/04
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どこかで読んだことがあるなー、と思ったら構造が某古典的SFに似ている。素敵な本歌取り。良い読書になりました。
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生と死の狭間にある不思議な図書館。書架の一冊一冊には、あの日あの時、違う選択をしていたらありえたかもしれない自分の人生が綴られていてー
ノーラは絶望して衝動的に命を絶とうとするが、気がつくと真夜中の図書館にいる。違う選択をしたパラレルワールドの人生をいくつも、これでもかというほど経験することによって、自分から離れて自分自身を知ることができ、大切なことに気づくことができる。
個人的には、あまり深刻な気分でない時に読みたいとおもった。ノーラとエルム夫人との関係がいいな。家族とか恋人のように特別な関係ではなくとも大切に思える人がいるって幸せだなと。
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人にどう思われるかではなく、自分の人生を生きようと思える。私もあの時の選択肢を間違えたと後悔する事が多いけど、選んだ選択肢が間違えだとしても、正しい方向に向かって軌道修正できる力をつける事が大切だと思う。
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正直私には合わなかった。
哲学の話が沢山出てきて難しかったし、最後はありきたりすぎるかな。
しかし沢山のパラレルワールドを行き来するのは予想がつかなくて少し楽しめた。 -
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表紙のイラストが素敵で手に取りました。
生と死の狭間にある、真夜中の図書館。
生きることに疲れ果て死を望んだノーラが
辿りついたその場所には、涯のない書架があり
その一冊一冊にはノーラが生きたかもしれない
人生が綴られていた。
生きたかもしれない別の人生を羨むのは、
今に満足していないから。
選ばなかったことを後悔し、その選択に
理由付けをしているから。
後悔の数だけ人生を生き直せるとしたら、
あなたはどうしますか。
限りない後悔の先に見た、現実と異なる
人生でノーラが気づいたことは一体何か。
どんな結末が待っているか分からない、
だからこそ諦めずに生きるんだと
伝えてくれる物語。
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悔いばかりの人生に絶望し死を決意したノーラは、ある夜「真夜中の図書館」に引き入れられ、司書のエルム夫人に「後悔の書」を渡される。そこにはノーラが生まれてから感じてきたすべての後悔が記されている。
本を閉じ、やり直したい出来事を選ぶと、その時代に転生し選択されなかった人生、後悔が解消された人生を生きることになるのだが…
エルム夫人の「小さな物事の持つ大きな意味を、決して過小評価してはいけません」という言葉が人生のバタフライ効果のように心に響く。 -
以前、ブクログでピックアップされていた時に気になって予約していた本。
人生に絶望して、衝動的に自らの命を絶とうとしていたノーラ。
目覚めた時、彼女の目の前に現れた“真夜中の図書館”。
そこに並ぶ無数の本には“ありえたかもしれない人生”が綴られていて・・・。
あの日、あの時、違う選択をしていたら・・・。
そんな後悔のある人生を、もしやり直せるとしたら・・・?このテーマは非常に興味深いですよね。
本書は、主人公・ノーラが“選ばなかった”様々な人生を体験しながら、自分を見つめなおし成長していく展開となっております。
“選択しなかった別の人生”を次々と体験する設定は面白いですし、要所に出てくる哲学的な台詞にも考えさせられるものがありました。
ただ、個人的にちょっと残念だったのは、主人公・ノーラの元々のスペックが高いということです。
水泳や音楽の才能もあるし、研究者を目指せるような頭の良さも備わっているという・・そう、ノーラは恵まれた才能があるにも関わらず、それを活かす人生を選ばなかったのですよね。(逃避癖がある感じかな)
なので、その辺が共感できないといいますか、何の取柄もない私からすれば“何だかなー・・・”と若干拗ねモードに入ってしまいました。
とはいえ、前向きな気持ちになれる物語ですので、読み終わった後は、『人間失格』の葉蔵ばりに恥の多い生涯を送ってきた私も、自分の人生をまるっと受け入れてみっか!と思えた次第です。
“たとえ現在がどんな状況でも、未来はやっぱり不確定なのだ。つまりは、そこに可能性があるということだ。”