フェアリー・プリンセス夢迷宮への片道切符 上 (MIRA文庫 JK 2-1)

  • ハーパーコリンズ・ジャパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596915092

作品紹介・あらすじ

シェイクスピアの『夏の夜の夢』の世界と、パソコンいじりが好きな現代の少女を巧みに絡め、「現代版『ふしぎの国のアリス』」などと評され、2011年全米図書館協会が選ぶ10作品(ティーンズ部門)に選定。

学校でも目立たず家にも居場所のない、女子高生ミーガン。気にかけてくれるのは幼なじみでお調子者のロビーと、甘えん坊の幼い弟くらい。そんなミーガンの日常は、16歳の誕生日に一変する。両親が不在のなか、突然弟が幼児とは思えぬほど凶暴に豹変して、襲ってきたのだ!間一髪のところを助けてくれたのはロビー。彼はいつになく真剣な顔で、目の前にいる弟は偽物だと告げた。「きみの弟は“妖精”にさらわれたんだ」呆気にとられるミーガンを尻目に、ロビーはさらにとんでもない告白をする・・・

感想・レビュー・書評

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  • ブクログさんの献本で頂きました。
    海外の現代ファンタジーのイメージはハリーポッターとか、トワイライトが強いのですが、これはナルニア系なのかな?
    (海外文学にはちょっとうといので・・・。)
    「現代版不思議の国のアリス」とたとえられる通り、ストーリーをざっくりたとえるならアリスですね。

    このストーリーの少女はただ弟を助けたいという一つの目的のために未知なる世界に足を踏み込みます。
    一途な気持ち、大きな目標、揺るがない気持ち。
    設定が暗い感じで、周りからモテるような子ではなかったので、ファンタジーに必須の勇気の形はちょっと似合わないのかなと、読み始めは思っていましが。
    しかし、脱力感や面倒くさい感じは今の子らしいですが、心は強いところが魅力的ですね。

    キャラクター一つ一つの設定が個性的。
    気が強い系と我が道を行く系が多いので、読めないストーリーでおもしろい!

    ハーレクインなのでべたべたなロマンスを想像しますが、本当に若い女の子に教えたいファンタジーノベルです。

  • 初めてのハーレクイン。

    ブクログのプレゼント企画で当たって、手に入れました。

    主人公はオタクの女子高生!『フェアリー・プリンセス 夢迷宮への片道切符』を30名様にプレゼント | ブクログお知らせブログ
    http://info.booklog.jp/?eid=475

    ハーレクインと言えば、南の島にバカンスに行った女性が、美しき男性とつかの間のロマンスに身を焦がして、ついにはその思いを断ち切ることができず、しかし現実との間で苦悩し、やがて日常を取り戻すかに見えて、日常を捨て去ってハンサム(イケメンよりしっくりくるこの言葉)と結ばれる、ロマンスレーベルであろうと思うのですが、かつて一冊も読んだことがないので、勝手な思い込みですすみません。

    というか。

    この作品がハーレクインだと知ったのは、応募した後だったので、まさか自分がハーレクインを読むことになるとは、思っても見なかったわけですが、そんな思い込みは、いい意味で誤算となり、ちゃんと裏切られました。

    この特設ページの記述を見てもわかるとおり、

    ---------------------------------------
    ▼フェアリー・プリンセスの魅力、早わかり!の5箇条
    1.シェイクスピアの世界から生まれた、壮大な世界観。
    2.でも「ネットおたくの女子高生」が主人公という、独特さ。
    3.無名作家のデビュー作ながら、口コミでヒット!
    4.ジブリ作品にも似た、現代人へのメッセージ性。
    5.日本人の心をくすぐる、濃いキャラ設定。
    ---------------------------------------

    口コミの口という字はあるが、ロマンスのロの字はない。

    ネットおたくやら、ジブリ作品やら、濃いキャラ設定やら。

    恋キャラじゃないんですよ。濃いキャラなんですよ。

    ついでに、以下の公式サイト。

    The Fairy Princess フェアリー・プリンセス公式サイト / ハーレクイン
    http://www.harlequin.co.jp/fairyprincess/

    「ファンタジー界の黒船」などと記述してあり、まさしく、先ほど書いた、ぼくの持っていた、ハーレクインのイメージなんて、どこにもありゃしません。

    そこにあるのは、面白そうなファンタジー。

    むしろ、海外産ラノベの匂い。

    その中でもぼくが最も興味を惹かれたのが、ここ。

    「1.シェイクスピアの世界から生まれた、壮大な世界観。」

    シェイクスピアの作品のキャラクターたち、特に夏の夜の夢の面白い連中が、ファンタジーの世界で暴れてくれるとなれば、期待しないわけには行かないじゃないですか。

    ロマンスけっこう、ハーレクインけっこう、もしかすると、ただの食わず嫌いだったのかも知れないし、当選しなくても手にとって読んでみようと思っていたら、見事に当選してラッキーってなもんです。

    というのが、読む前までに抱いていた思い。

    ---------------------------------------

    先の5箇条の中に、「ジブリ」という単語があったからでしょうか。

    読みながら、この作品は、是非、ジブリのアニメで見たい、いや、ジブリならば、ものすごく面白いアニメを作ってくれる、と思いながら読み進めました。

    むしろ、表紙絵のキャラクターではなく、ぼくには、読んでる間中、ジブリの映像として成立しているイメージが浮かんでいました。

    なぜか?

    この物語の主役は、ミーガン・チェイスという、どこにでもいる平々凡々な16歳になる女の子。

    その少女が、気になっていた男性(アメフト部)にはイヤな思いにさせられ、自分自身の出生の秘密や、両親と継父の間の苦悩、さらには父親違いの弟のために異世界に旅立つことになっても、決してめげずに、しかも、自らの知恵と勇気で前に前に進んでいく。

    その、「まっすぐ前に進む意思の強い女の子」というのが、ジブリ作品では、特徴的に描かれていると思うのです。

    『千と千尋の神隠し』の千尋や、『風の谷のナウシカ』のナウシカ、『ハウルの動く城』の、ソフィーなど。

    女性がイケメン男性から守られているだけの作品は、ジブリにはありません。

    イケメン男性が自分を救いに来てくれることだけを期待するヒロインなんか、いやしません。(『天空の城ラピュタ』の、シータにしてからが、飛行石を持って飛行船から飛びだし、悪者とみれば容赦なく殴りつけるような女の子)

    そういった、ジブリ作品に見られるような女の子像が、この作品にはあります。

    いろいろぼやくし、現代っ子らしく苦悩もするんだけど、ひとつひとつの目の前に現れる生涯に対し、逃げるどころかちゃんと立ち向かう、能動的な女の子。

    しかもそれが、シェイクスピアの『夏の夜の夢』でおなじみ、パックやオベロン、ティターニアさらには妖精猫ケット・シーに、もろもろのファンタジーの世界。

    久しぶりにファンタジー小説を読んだ気がしますが、非常に良質。

    ハーレクインですが、ロマンス成分はほぼありません。

    むしろ肩すかしな感じかも知れませんが、逆に、ハーレクインだからと敬遠することがあるのであれば、それはモッタイナイと言うべきでしょう。

    丁寧に描かれた、面白いファンタジーです。

    ジブリでアニメ化希望です。

  • なんて楽しい世界なのだろう。恐ろしいことばかりだが、この本の世界に吸い込まれてしまう。
    ここで感想を詳しく述べると現実に引き戻されてしまいそうなので、急いで下巻を読むことにする。

  • ≪内容覚書≫
    地味で目立たない女子高生のミーガンが迎えた16歳の誕生日。
    それは、不思議な物語の始まりだった。

    妖精に連れ去られた弟を取り戻すため、
    幼馴染だったロビンとともに、
    ミーガンは妖精の世界≪エバーエバー≫へと旅立つ。


    ≪感想≫
    ハーレクイン、というより、
    児童文学とラノベの間のイメージで驚いた。
    ハーレクインって、もっとエロスだと思っていた。

    シェイクスピアの「真夏の夜の夢」の名前を借りた人物が、
    たくさん出てくるので、知っている方は、ニヤリとできそう。
    知らない人は、名作に触れる良いチャンスにしたら、
    きっと有意義。
    ただ、シェイクスピアの原作に愛着がある人は、
    読まない方がよいのかも。

    チアリーダーの意地悪女子とハンサムなアメフトプレーヤーが、
    アメリカ文化だなぁ、ととりあえず笑わせてもらった。
    日本だと、学級委員長の真面目女子ポジション?
    翻訳ものは、こういう定番どころで、
    文化の違いを感じさせてもらえて楽しめる。
    あと、クローゼットが異世界に通じるのは、
    ナルニアと同じスタート。
    海外のクローゼットには異世界が、
    日本の押入れにはドラえもんがつまっている(笑

    上巻のストーリーとしては、可もなく不可もなく。
    妖精を現代社会にうまく登場させていて、
    スッと世界に入り込める。

    下巻でのミーガンの成長と活躍に期待。

  • ハーレクインと聞いて超甘ったるいのかと思って
    ちょっと眉をひそめそうになりましたが
    そんなことはなく、サクッと読めてしまいました。

    ちなみにファンタジーとは言えども
    やけに魔法が出てくるわけではないのです。
    まあ、猫はしゃべりますが(笑)
    しかも毒舌で某オネエ系みたいな感じの。

    しかしミーガンは本当に大変だなぁ。
    弟はさらわれ、
    探しにきた場所では災難に遭い…
    どこまでも身の置き場がないです。
    だけれどもだんだんと成長が見えてきますよ。
    これからが楽しみ。

  • ティーンならとってもツボにハマるのかも。お話としては面白い。
    健全なファンタジー。

  • びっくりするほど魅力的な異世界、ではなく。過去に読まれてきた数々のファンタジーへのオマージュ、というには薄く。イギリス、アイルランドの伝説を下敷きにしてアメリカ人が書くお話に漂いがちな「これちがう」感と申しましょうか。やはり地産地消で、アメリカならばネイティブアメリカンの伝説を絡めた方が面白くなるような気がする。

    JKの一人称で非常にカジュアルな語り口なので、主人公に共感できるかどうかで合う合わないが決まるのだろう。私には合わなかったけど、はまれば面白いのでしょう。

  • ハリポタやナルニア等ファンタジー好きがハマる話らしい。不思議の国のアリスにも通じている?!口コミで人気に火がついたとか。

  • シャイクスピア『夏の夜の夢』をベースに、不思議の国のアリス・ピーターパンなどの古典ファンタジーの要素やフェアリーテールを織り交ぜて、ラブロマンスを盛り込んだ「いいところ取り」の作品。
    それなりに面白いファンタジーですが、上巻の展開はイマイチ。
    主人公の本格的な冒険、成長がはじまることを願って、下巻に進むことにします。

  • 今までの「常識」が通じない世界。
    こんなにも生きていきにくいものかと驚いた。
    「常識」ってなんだろうな。と考えてしまった。
    ミーガンが今後どうなっていくのか気になる。

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