僧院のジュリアン (ハーレクイン文庫 761)

  • ハーパーコリンズ・ジャパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596937612

作品紹介・あらすじ

キムは男性不信に陥って、生まれてこのかた恋したことがない。そんなある日、友人から頼みごとの電話を受けた。つい3週間前に社会的地位につられて婚約してしまった、冷徹な男性と何とかして別れたいという相談である。怯える友人にかわって、富豪のジュリアン・パーネルにキムは会いに行かされる破目になるのだった。そのときはまだ、キムは知る由もなかった。キムの美貌に目をつけたジュリアンに、僧院に閉じ込められ、いますぐ関係を結ぶか、結婚するかの決断を迫られようとは。

感想・レビュー・書評

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  • まず、このお話についての感想については二点あります。
    一つは、物語としての面白さです。

    ストーリー  ☆☆☆☆☆☆五個の面白さ
     終始ハラハラとして、ヒロインを突如、連れ去り僧院に閉じ込めて結婚を迫ったジュリアンーという男性について、一体、どんな人なのか、冷酷なのか、それとも本当は別の素顔があるのか。疑問を抱きつつ読み進めました。先がなかなか読めないという点では、本当に読んでいてスリルがあり、楽しめました。

    登場人物について ☆☆
     ヒーローのジュリアン。彼がヒロインに対してしたことは犯罪以外の何ものでもありません。ヒロインは無責任な女友達に騙されてジュリアンを出し抜くお芝居をしたのであり、何もヒロインがジュリアンに罰せられる筋合いも報復対象となる筋合いもないのです。
    確かに、女友達に乗せられて余計なお節介をしたという点では、ヒロインには多少の責任はあるでしょうが、何も誘拐、軟禁更には結婚を強引に迫られヒーローと関係を結ぶ状況に置かれる正当な理由はありません。

    私はこのことがずっとモヤモヤと心にかかりました。
    ジュリアンは育ての母である伯母に早く結婚をして安心させたいという理由がありました。そのための結婚計画をヒロインに台無しにされたため、報復としてヒロインを誘拐したのだと最初は説明され、最後は「ひとめ惚れだった」と理由づけされます。
    ラストでは、ヒロインもヒーローに心を許し両想いになるのだから、終わりよければすべて良しかもしれませんが、何となく釈然としないものを感じました。
    ヒーローの一連の行動にまったく正当性というか、納得できる部分がないのが気になります。
    悪い人ではなさそうですが、衝動的に女性を拉致して結婚を迫るという行為には、何の魅力もなく説得性もありません。
    物語だから構わない、無粋なことを言うものではないーと言われそうですが、私はヒーローの支離滅裂さがどうしても受け入れられませんでした。物語としての楽しさとはまったく別問題です。

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