蔵〈下〉

著者 :
  • 毎日新聞
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620104850

作品紹介・あらすじ

光閉ざされた世界から、恋人のもとへ、一途に駆けてゆく少女・烈。苦悩と献身の生涯の末に歓喜の光を浴びる養母・佐穂。それぞれの愛の成就をうたい上げた感動の終章。

感想・レビュー・書評

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  • この下巻で波乱な人生を歩んでいた二人の女性の完結。

  • 大正から昭和初期、新潟の大地主の家に生まれた、目に障害をもつ少女烈とその家族の物語。
    上巻ではワガママな所が目立つ烈だが、下巻ではしっかりと考えをもった少女に成長していき、その姿に感心させられる。
    主人公のまわりの登場人物にも魅力があり、特におばの佐穂の人間性は素晴らしいと思った。
    会話は全て新潟の方言で書かれており、最初は読みづらいが慣れてくると味わいがある。

  • 細やかな心の動きや時代背景が丁寧な新潟弁で書かれていて たった100年前の日本はこんなにしっとりと情のあつい国であったかと思う
     新潟の裕福な大地主の家が舞台  
    たっぷりの米を使って造り酒屋を始める 家業は順調ながら なかなか子供に恵まれない
    まだ明治になる前 誰もが貧しく 近親結婚も多かったせいで 死産は珍しくない 生まれても幼いうちに亡くなってしまう また鳥目も多い そんな中でたった一人美しく成長する娘がこの鳥目とわかりついには全盲になるが 目が見えない分感受性豊かに育っていく
    あまりにも有名な作家の代表作分厚い上下二巻 手に取ると細かい文字がびっしり ついついたじろいでしまったが この度亡くなられたのを機に挑戦してよかった

  • 全て新潟の方言で書かれているが、知らない私でも読み進めていくうちに違和感がなくなる。作者の物語力がそうさせるのか。ぐいぐい引きこまれる。

  • 烈がだんだん大人になっていく。
    そして、すごく強い子。
    烈が小さい時からそばにいた佐穂もとても優しくて強い人だと思った。
    意造には佐穂を田乃内佐穂にしてあげてほしかったな。
    せきもこれでよかったんだろうか?
    ハッピーエンドなんだろうけど、読み終わった後なぜか悲しかったです。
    宮尾登美子さんの他の本も読んでみたい。

  • 幸せになれてよかった。

  • 何かとおおごとにせず、穏便に穏便に、というのはなんというか日本人らしいというか。そうやって済ませようとして、先延ばしにしてたら、いざ問題が起きて大騒ぎする。あー、あるある。ってそういう話ではないけども。
    昔ゆえの家の体面だとか、なんかまどろっこしい世界に、頑張って生きていく主人公に少しずつ惹かれていく。しかし方言を文字にすると読むのが大変で、割と斜め読みしてしまうところもあったり。

  • ☆4・5ぐらいか。
    宮尾作品は、次から次に災難が降ってくるので、ほんと目が離せない。

    後継ぎの男児をめぐってぎくしゃくしていく夫婦、すわ家庭崩壊か、蔵元の閉鎖危機かという瀬戸際を支えたのは、失明しながらも家長たる自覚が芽生えたヒロイン・烈だった。

    蔵元の再興につけ家族の紐帯が高まる中盤は良かったが、一難去ってまた一難。最後に叔母の純愛が実ったのは良かったけれど。

    ヒロインの父親以外の男性が若干軽く扱われすぎているのと、蔵元の話のわりにはあまりお酒についての話題が出ず、ビジネス小説にいたらず、ハンディを背負った女性の色恋や家庭の不和など、日常劇に終わっているのがやや残念。

    しかし名家の苦悩というものがよくわかる良作。

  • じっくり、ゆっくり読もうと思っていましたが、面白いのですぐに読んでしまいました。

    上巻の最後で、突然倒れた意造。
    佐穂の献身的な看病で回復するも、左半身に麻痺の残る体となってしまう。
    さらに追い討ちをかけるように、せきとの間に生まれた跡取息子の丈一郎が事故で亡くなる。
    すっかり気力をなくした意造は、酒蔵を閉じる事を決めるが、そんな意造に烈は自分が酒造りを引き継ぐと宣言する。

    烈という女性は何と強い人だろうと思います。
    いつも自分の意志で決断し、運命を自らの手で切り開いていく。
    そんな烈の姿に尊敬の念を抱かずにおれません。
    このお話は盲目の女性が主人公だし、「蔵」というタイトルからも、お話の内容からも、どうしても闇を感じますが、それと同時にしっかりと強い光を感じるお話でもあります。
    読み終えて、私も少しでも烈の事を見習いたいと思いました。

  • 終盤に差し掛かり、主人公に訪れた普通の幸せに、読み手の私まで幸福感に浸る。
    なにからなにまで幸せ一色のハッピーエンドではありませんが、読み終わってすっきりとする良い終わり方でした。

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