夏の災厄

著者 :
  • 毎日新聞出版
3.45
  • (6)
  • (4)
  • (19)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 73
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620105222

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2段組380ページ四部構成と、かなりボリューミーな内容ではあるけれど、意外と読みやすくてぐいぐい先へ進められた。
    埼玉県にある架空の郊外都市で新型日本脳炎のパンデミックが突如起こる話。刊行1995年で舞台設定が1993年なので、インフラや法整備等の違いは念頭に置かないといけないけれど、全く古びていないと感じた。それもどうなの、とは思うけど・・・。
    設定は壮大だけど伏線が丁寧で、物語は中盤ぐらいで見通しがつく。でも、とにかくキーパーソンに味があって人間的。そして善悪を白黒つけないところが良心的で読まされた。
    行政小説としても面白かった。

  • 郊外の街で起こる未知の伝染病の流行と、
    それに伴って引き起こされる様々なパニックを描いたパンデミック・ミステリ。
    現状と重なる部分もあり、こうならないようにしなければと思わされる描写が多くあります。
    著者の篠田節子さんは本学の卒業生です。

    角川文庫のWebサイトにて、冒頭部分の試し読みができます。
    https://kadobun.jp/trial/natsunosaiyaku/3r62yz7wz5wk.html

    (R.O.)

  • 説明と起きた出来事の羅列ばかりでかなり読みづらい。
    パンデミック系ってこんなのが多いのかな
    題材は興味惹かれるのに勿体ない

  • 期待しすぎました。ウイルスについて分析したりしないのだろうか?イマイチうーん・・・です。

  • 埼玉県のある市で、日本脳炎と思われる患者が出現した。その数は瞬く間に急増するが、その死亡率・後遺症の高さは一般的な日本脳炎とはどこか違っていて…仕事であるために逃げることもできない「現場を駆け回る人々」と、対応の遅れやすい「お役所」の苛立たしい動きを描いた小説。子供のためにはこれでよかったのだという正しい答えや安心が得られにくい予防接種は、親としては毎回悩むだけに、他人事ではなかった。これから夏を迎えるというこの時期に読むと、恐ろしさがいっそう増す。

  • 私が一番最初に読んだ篠田ホラーの本です。
    誰も目立った主人公がいません。民間の平凡な保健所の職員が、難病と闘う姿に我を忘れて読みました。実際におこりそうな病気で、怖いなと。実感。
    わが子にも予防接種させたか、確認しました。

  • キーワード→日本脳炎

  • 舞台は埼玉の所沢よりももう少し山寄りの辺りにある架空の市です。ここから不明な疫病が発生して、主人公の冴えない市職員が微力ながらもその問題に立ち向かっていく小説です。
    魅力のあるヒーローは皆無ですが、実際にこういった問題が日本に起こったら、官はこの程度の対応しかできないだろうと考えさせられる現実味が強い小説です。
    後手後手に回った官の対応が歯がゆくて、これ一体どうなるんだよ・・・と思いながら読みました。
    篠田さんの作品の中では5本の指に入れたい作品です。(日テレでドラマ化されました)

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

篠田節子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×