作家ソノミの甘くない生活

著者 :
  • 毎日新聞社
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本棚登録 : 283
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107882

作品紹介・あらすじ

老いも目前。元気すぎる母にふりまわされ、ほころびだらけの世の中を嘆きつつも、「日々、ひっそりと」気楽な一人暮らし。共感と笑いを呼ぶ日常小説。

感想・レビュー・書評

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  • 老後の悩みがこれでもかってほど書いてあり、正直ウンザリするけれど、これが現実で、それでもソノミさんは諦めつつ頑張ろうとしている。
    老後の事なんて考えたくない。でも確実にやってくる。

  • 家で文筆業の仕事をする、主人公のソノミ、一人暮らしをする、彼女の母親、母親の妹の叔母…などの、リアルな関係。
    物語は、日常を描いて淡々と進む。
    一部の人を除いて、「何でこんなのが小説なの?」と言うほどの、何も事件が起こらない作品かもしれない。
    作者は多分、そういう感想を抱く、多くの一般の読者向けのエンターティンメント小説を書くつもりはさらさら無かっただろう。
    どういう人が読んで共感するのかと言うと…
    えっへん、私のような、“老いて一人暮らしの母”を持つ、おばさんである。
    何もかも“あるある”で、デジャヴ、「ほんと、イライラするよね!!」と、お茶とお菓子を用意して語り合いたい気分だ。
    テレビを見ていて、「そうだよね~」「あはははは」「バカみたい!」「かわいい~」…などと声を上げるのは珍しいことではないかもしれない。
    この本で、厚かましくも上京の宿を“家で仕事をしている”ソノミのマンションに定めた叔母も、“仕事をしている”ソノミの迷惑も考えず、テレビを見ながら楽しく声を上げている。
    しかし、テレビではないけれど、この本を読みながら、「あるよね~」「ほんと、老婆って、どうしてそういう思わせぶりな事言うんだろうね!」「ソノミ、人が良すぎるよ!迷惑なおばはんには“私、仕事があるので”って言わなきゃだめだよ!」
    …と、声を上げたくなったのである。
    これは、小説であるかも知れないが、仲の良い友達の愚痴みたいなものに感じた。
    …年齢の違いすぎる人たちには理解できないかもしれませんね。

  • なんだか、群さんの生活を映し出すような内容の話。
    達観してるなーと思う。
    生きていると、自分はいつも同じところにいるような気持ちでいるけど、
    しっかり時間は流れてて、自分もその流れにしっかり流されているところなんて
    身につまされもする。

    • kuroayameさん
      この本はまだ拝見していないので、是非探して読んでみたいと思います♪。
      いつも素敵な本をレビューにて教えていただきありがとうございます★。
      この本はまだ拝見していないので、是非探して読んでみたいと思います♪。
      いつも素敵な本をレビューにて教えていただきありがとうございます★。
      2013/02/22
  • 群よう子サン。気負いなく読める。
    プッって笑ったり、ありゃありゃって思ったり 理不尽な事もうんうんって…何も深く考えずに一緒なんだぁ〜って。読んでて安心⁈ 当たり前の事だけどそんな些細なことで喜んだりヘコんだりする自分の癒し本です。
    2013.11.26

  • 年を重ねての終着地、欠点丸出し……こわ……
    甘くない。甘くないけど、あっという間に来そうでこわい。
    対策とか……ないですかね。

  • 本人の話? と思ってしまう。
    個性的な母親を持つと苦労しそうだけれど、80代でこれほど元気だったら心配ナシだなぁ。
    やりたいこともいっぱいあって、家に閉じこもるでもなくハツラツとしていて。ま、口が達者なことはヨシとしないと……。
    少々面倒でも、これくらい元気な親であって欲しい。
    いやー、考えが似ているのか「わかる、わかる」という箇所もあり、いつもどおり楽しめた内容だった。

  • 自分の老後や健康のことだけでも心配し始めるときりがないソノミ。母親と子供のいない叔母のこともある。
    年を重ねて出来なくなったこと。昔から変わらないこと。親と子の関係も変わらないようで変わっていく。お互いに性格も変わったり。
     
    「でも、とっても面倒くさい」
    そっと、うなずいてしまった。

  • 女性作家のドタバタな日常のないようだったが、後半は先々の親との関わりや、自身の老後、金銭問題等につながり、切実に考えさせられる内容だった。コメディタッチの前半だっただけに重いものがのしかかってきました

  • 作家ソノミには元気過ぎる母がいる。看護師だった母は退職してからダンスを習い始め、人生を謳歌している。この母と日常の他愛ない出来事が様々おこる。母、叔母、ソノミ それぞれが気楽なひとり暮らし。色々あるが共感する。

  • 淡々とした日常。

    私の好きな感じ。


    職業や、立場や、年齢や
    人それぞれに
    「甘くない」の中身は違えど

    私も「甘くない」というワードは
    心して、生きていこうと
    常々思う。


    群さんのこの感じ、好きです。

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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