- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620317885
作品紹介・あらすじ
これから君は、幸福な人生を生きなくちゃならない。どんなに不幸な時代であっても、幸福な人が不幸になることだけは決してないと、約束するよ。『14歳からの哲学』の著者が贈る人生の教科書。
感想・レビュー・書評
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主体性を持ち、あるがままを受け入れ、事実と思考や思い込みとを分ち、知覚できるものとその本質を見極め、人生を通して自分の中の哲学を育てていくことの大切さとそれらの前提に立った上での学びの面白さについて書かれている。
14歳でこの本を読むとあまりにもスッキリとしないのではと思うけど、それが考えることの契機になると良さそう。
この本に書かれている言葉もすべて所詮は文字の羅列であり、その意味するところは著者という1人の人間の意見であるという少しメタな視点を持ちながら読むと俯瞰して読めると思う。 -
問いはシンプルだが、日常をありのまま疑わずに生きている我々に考えることの本質を問いかけてくる。池田晶子さんですので、少年、少女に問いかけるのだが、語り口はいつものようにスパッと鋭い。幾度も自分の頭でなぜ、なぜと物事の本質を見極めろと問いかけています。
哲学者の難しく、苦行のような文章も、本書の軽妙な問いかけも本質を追いかける姿勢は同じ。 -
ヨシタケシンスケさんの表紙イラストにつられて読んだら、思いがけず(失礼)内容もガツーンと響いた本です。
この本の前に、吉田修一さんの小説「橋を渡る」を読み、「正しさや間違いとは何か」と考えていました。
それもあったせいか本書の「意見」の章は、自分の考えていた正しさと比べながら読めたので、とてもおもしろかったです。
こんな風に「本がつながる」経験ができるのも、読書の楽しみのひとつですね!
ちょっと哲学的な本で、言い回しが独特なです。
しかし、哲学とはそもそも人間の悩みにこたえてくれる学問です。
本書も、「“私”ってなんなんだろう?」「なんで勉強しなきゃいけないの?!」なんてこたえがなさそうな質問に、哲学みたいな言い回しでこたえてくれる本、と思って読み進めてみるといいかもしれません。
今回私は、おとなとして社会に出てからこの本を読み、とっても響きました。
でも、まだ学生の方にはこの本はどう響くのかな?とちょっと気になります。
14歳だった私に、本書を読んでもらって感想を聞きたいくらいなのですが、そうもいかないので、現役学生さんの感想をぜひ読んでみてみたいなと思いました。
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「哲学」を勉強しことがないので、この本が哲学的なのかどうかはよくわからないけれど、何が大切かを考えさせられる良いきっかけにはなった。何が良くて何が悪いのか。なぜ良いのか、なぜ悪いのか。それをどれだけ”自分で”考えることができるか、ということなんだと思う。
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本を読んでこんなに考えたのは初めてだ。
今までいかに考えずに本を読んでいたかを思い知らされた。
本著で著者が伝えたかったのは、考えることの
大切さなんだと思う。
「ほんとうの自分はなんなんだろう。」とよくきくけれども、本当の自分なんてそもそもいるのだろうか?
「戦争は良くないこと。」これは当たり前のことに思うが、そもそも「戦争」とはなんなのか。
子供の頃から言われ続けたから、なんとなく当たり前だと思って鵜呑みにしてはいけない。
「なぜ生きていかなければいけないのか」「どうやって生きていけば良いのか」答えは自分の心にしかない。
だから、自分で考え続けることが重要なのだ。 -
永年気になっていながら読む機会がなかった本や作者、というのが私にはいくつかあります。池田晶子さんとその著作はそういう存在の一つでしたが、先日、偶々縁あって本書を読むことになりました。
哲学者(学者というより、哲学について考え、書く人)である池田さんが、中学生に向けて、人間にとって身近な16の事柄をテーマに、考える事、生きる事について語りかけたものです。
中学生を対象にしているため、語り口はいたって平易ですが、内容は全く簡単ではなく、
読み応え、噛み応えがあり、読むほどに、考えさせられます。
それぞれのテーマで、共通して繰り返されているのは、とにかく自分の頭で考える、考えて、考えて、考えつくす事。答えを出す事自体に意味があるのではなく、考える事自体に意味があり、それこそが人間の人間たる所以である、という事です。
日々の身の回りの出来事に追われ、自分の頭で本質的な事を考えることを蔑ろにし、既成概念や周囲の考えに染まる事も多い自分を顧みる良いきっかけとなりました。
本書は図書館で借りて読んだのですが、手元に置き、折に触れ、時々読み返したい、と思います。
中学生の頃にこの本を読んだらどう感じただろう、と考えると、中高生のお子さんに贈って読んでもらうのも良いかと思います。 -
哲学者・池田晶子氏の著書
以前、池田さんの「14歳シリーズ」を読ませて頂きました
その時も今回もやっぱり難しかった
私の理解力の問題だな・・・
自分が14歳の頃、こういう問いを投げかけられて、ちゃんと答えられるだろうか?
いや、意外に真剣に考え答えるのかも知れない
当時は何だか小難しいことを真剣に考えていた気がする
「好きってどういうこと?」とか、今考えるとアホらしいことを延々と学校の帰り道
友達と話しこみながら帰ってきた
この本は2006年に書かれています
池田さんが亡くなったのは翌年です、きっとご自分の命と向き合いながら
読書にあてて書かれたものなのでしょう
そう思うと「人生」の章は胸に迫るものがあります
・人間は、必ず死ぬ。年をとってから死ぬんじゃない。生きている限り、すべての人は必ず死ぬのだから
それは明日かも知れないし、今夜かも知れない。中略
生きている君は、絶対に死ぬ。この事実をしっかり受け止めることこそが、しっかりと生きてゆくことを
可能にするんだ。(p181)
「友愛」から始まって、「人生」の章が一番最後の章となっています
きっと池田さんが一番伝えたかったことが「人生」の章に詰まっているのかなと私は感じました
哲学は難しい、難しいから何度も読んで、何度も考えて、自分なりの答えを見つけていくものなのかも・・・
私もこの本をしばらくしてからまた読み返してみたいと思います
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中学生向けに書かれた哲学の入門書。タイトルにあるようにどう考えながら人生を送るのかについて、中学生向けの言葉で書かれています。仕事柄、悩んでいる中学生と話をすることは多いので、何かの参考になればと読んでみました。哲学は、気持ちが健やかな時に読むべきかもしれません。それぐらい、パワーと破壊力を持っていることを感じました。「考えられる」中学生を育てるために、「考える」日々です。