愛蔵版 第66期 将棋名人戦 七番勝負

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  • 毎日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620504865

感想・レビュー・書評

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  • 羽生・森内のライバル対決の迫力が凄い。
    ちなみに僕は将棋はめっちゃ弱いです。

  • 住んでいるバンコクのアパートでは英字新聞が毎日部屋に届けられるが、日本の新聞(日経と読売は衛星版でほぼリアルタイムに読める)は、とっていない。アパートのロビーや空港のラウンジなどにある日本の新聞をそれでも時々は読む機会があるが、その際、将棋欄には必ず目を通す。この本は、去年2008年の、森内名人に羽生が挑戦した名人戦の、主として各局の観戦記を集めたものだ。勝負は結局、4勝2敗で羽生が森内を降し名人に返り咲くと共に19世名人(要するに永世名人)の称号を手に入れて終わった。1局の観戦記は新聞ではだいたい10回から15回程度に分けて掲載されるので、4勝2敗、すなわち6局分の観戦記は新聞では、60日とか90日に分けて掲載されることになる。私自身は上記の通りなので、なかなか1局の将棋の観戦記ですら、最初から最後まで読む機会がなく、この本のように6局分の観戦記をまとめて読んだのは全く初めての経験であった。私は将棋は好きだが強いわけではないので、プロ棋士、それも最高峰の2人の棋譜をきちんと理解できるわけではないけれども、それでも、6局分をまとめて読んでみると、1局1局の中での勝負の流れや、6局全体を通じての勝負のあやみたいなものを感じとれて、なかなか面白かった。印象的だったのは、第3局の終盤で森内名人が指した、結果的には敗着となった一手である。この手がまずかろう、というのは、よく考えれば、素人の僕でも理解できる。それを、将棋界最強の棋士の1人が指してしまい、結果的にその手によって、それまで敗勢だった羽生が息を吹き返し、森内にとっては負けにつながった一手となってしまう。名人戦は各自の持ち時間9時間、従って、2日間に分けて行われるのであるが、この手が指されたのは終盤なので、2日目も遅い時間になってからのことであり、もう持ち時間がほとんど残っていない状態の中で指されたものだ。2日間に渡る極度の集中による疲労、持ち時間が足りない中での焦り等がもたらしたミスなのであるが、結局、そういう人間的な部分が勝敗を分けてしまう場合が、こういうトップクラスのプロ棋士同士の対戦の中でも起こりえるということである。もちろん、こういった事は、2人の力量が紙一重だからこそ起こり得ることであって、だから、結局はそれも含めて実力ということになってしまう、という具合に理解したが、どうなのだろうか。

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著者プロフィール

1872年に創刊された東京日日新聞を前身とし、現存する日刊紙で最も古い歴史を誇る。世界に先駆け戸別配達を実施するなど、新聞史に足跡を残してきた。新聞協会賞を業界最多の31回受賞しており、圧倒的な「取材力の高さ」を特徴とする。
新聞発行、雑誌や書籍の発行のほか、数々の主催事業を通して、芸術や文化、スポーツ、教育の普及・発展に寄与し、時代の創造に貢献している。

「2020年 『記者トレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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