眼と精神

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622019329

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  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
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  • (哲学の授業で自己と他者の問題をやった。
    サルトルの次にメルロ=ポンティ、最終的にはマルティン=ブーバー『我と汝』につながった。)
    授業で名前を知り、偶然図書室にあったので読んでみた。
    特に「幼児の対人関係」が面白かった。

    幼児期には自己と他者の線引きが曖昧だが、成長に合わせて周りが「自分のことを「私」と言うように」などと言い、自己を形成するように促していく。
    自己が出来ることによって他者との境界線ができはじめる、というような内容。
    「ねたみは<自己と他者の混同>」には、しっくりきた。
    自己と他者の融合があり得るのは正しいのかもしれない。
    自己を形成するのには他者が必要だとすると、自己の中には他者が存在することになるのかもしれない。

  • ☆twitterより

    物事が細分化されすぎた。
    学問も復古した方がいい。
    今や学問でさえ単なるMethodに成り下がっている。

    -------

    そこで手引きになるのがこの本だ。

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    ☆twitterより

    全ての学問の哲学への復古の必要性というのは、
    最近私が読み耽っている「眼と精神」
    (原題:ELOGE DE LA PHILOSOPHIE L'OEIL ET L'ESPRIT Par Maurice Merleau-Ponty )に書いてある。

  • 11/12/29、神保町・明倫館書店で購入(古本)。

  • みすず書房のこの本に収められている「幼児の対人関係」は、同じ出版社の『メルロ=ポンティ・コレクション3巻』に入っている。そのためこの本を読むのが遅れたのだが、『メルロ=ポンティ・コレクション』シリーズを集めると、既に持っている『シーニュ』所収の文章とかなり重複してしまう。
    メルロ=ポンティの生前出版された最後の論文「眼と精神」をやはり読みたかったので、結局この本を買うことにした。
    非常におもしろい本である。
    最後の「眼と精神」を除く3つの文章は、講義録ないし講演の内容。
    最初の「人間の科学と現象学」はフッサールを論じたもので、なかなか難しい。というのは、私がフッサールをきちんと理解していないからだ。この巻頭の文章が難しいと感じたら、ここは読み飛ばしていいと思う。
    次の「幼児と対人関係」は、再読になるが、心理学に興味のある人なら間違いなく、抜群に面白いはずだ。フレンケル=ブランズウィック夫人とか、ヴァロンとか、現在の日本では翻訳を読むことの出来ない心理学者が登場するが、この文章を読めば大体その主旨はわかる。
    「他人知覚」が幼児において得られる過程、自己の身体像の獲得など、実に興味深い。鏡像論ではラカンの名も出てくるが、2人の親交はこのとき既に始まっていたのだろうか。
    「哲学をたたえて」ではベルクソンの読解が試みられるが、それより最後のソクラテスに関する論述が面白かった。
    肝心の「眼と精神」、これは遺稿『見えるものと見えざるもの』よりも当然先に読んでおくべきものだったが、私は逆になってしまった。
    知覚の中でもやたら優位に立つと思われる視覚という問題系から、メルロ=ポンティはセザンヌなどの絵画の領域に関心を深めていくのだが、この文章ではクレーなどについても論じられている。
    この晩年のメルロ=ポンティの思想はなかなかに難しい。特に最後の方、「存在の裂開」という概念が出てくるあたり、あまり理解できなかったように思う。
    それでも目もくらむような知の進展を感じ取ることができた。わからなかった部分は、後日また読み返してみればよいのだ。

  • 私は写真家です。哲学は良く知りません。しかしこの本は写真を撮る仕事をしている人間にとって、一度は読むべき本だと思いました。

  • いわゆる認知科学にあたる領域の一冊。脳科学の発達でメルロ・ポンティの名前はすでに遠くなっていますが、今をときめく脳科学者でなくとも、さらには脳科学そのものがほとんど認知されない時代であっても、哲学はここまで考え抜くことができる… 偉業だと思います。

  • 晩年の芸術論(絵画論)『眼と精神』を所収した著作。『眼と精神』第三章のデカルト批判は面白いです。デカルトの『屈折光学』の第6講あたりまでを読んでからどうぞ。

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著者プロフィール

モーリス・メルロ=ポンティ(Maurice Merleau-Ponty)
1908年3月14日 ―1961年5月3日。フランス南西部の大西洋に面したロシュフォール・シュル・メールに生まれる。若くして父を失い、母と兄妹と親密な家庭環境の中で育つ。後に一家はパリに転居。いくつかの高等中学校(リセ)を経て、1926年、フランスのエリート養成機関である高等師範学校に入学。そこでサルトル、ボーヴォワール、ポール・ニザン、レイモン・アロン、レヴィ=ストロースなど、後に20世紀前半の思想界を担っていく俊英たちと知り合う。1930年、大学教授資格試験に合格。高等中学校、高等師範学校の教師を経た後、ナチ占領下でレジスタンス運動に参加。1942年に『行動の構造』、1945年に『知覚の現象学』を発表し、両著によって博士号を取得。サルトル等とともに共産主義を基調とした雑誌『レ・タン・モデルヌ』を創刊するが、米ソ冷戦の激化、朝鮮戦争勃発等を機にサルトルと袂を分かち、『レ・タン・モデルヌ』を離れる。この間、リヨン大学、パリ大学教授等を歴任。1953年、コレージュ・ド・フランス教授に就任。1961年、心臓発作にて急逝。上記著作の他、『意味と無意味』、『ヒューマニズムとテロル』、『弁証法の冒険』、『シーニュ』、未完の著作に『世界の散文』、『見えるものと見えないもの』等。

「2015年 『メルロ=ポンティ『眼と精神』を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

モーリス・メルロ=ポンティの作品

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