本についての詩集 (大人の本棚)

著者 :
  • みすず書房
4.25
  • (6)
  • (3)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 59
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622048343

作品紹介・あらすじ

その本の世界から誘いだされた詩と、その本の世界へ誘いだす詩。「二十世紀以後の詩」から、固有名の秘めもつ力を伝える92人92篇を選んだ初のアンソロジー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この目で見てる世界とは
    せいぜい視界の届く狭い範囲内のほんの一部。

    でも
    それだけで生きては行ける。

    例え
    水平線の向こう側を知らなくても
    地平線の向こう側に行かなくても
    虹の向こう側を
    壁の向こう側を
    扉を開けなくとも
    生きては行ける。

    それは
    理性だけを爛々と覚醒させ
    魂を眠らせておけばいいだけのお話だから。

    でも
    泣きながら沈んだ顔して眠る魂を
    揺り起こすときが来るとすれば
    それは死の間際…
    なんてのが嫌な人は本を開くのかな、
    と、思った。

    放浪の長い旅に
    心から満足しているかの様な本についての詩集。

    大好きな宮沢賢治や中勘介、
    草野心平や石垣りん、石原哲郎、谷川俊太郎…
    (他にもたくさん!)
    彼らが本棚から抜き取った本が
    古い地図をバンッ、と広げる。
    そして、真剣な眼差しが目的地を探る…

    私はその光景を想像してついつい、うっとりしてしまう。

  • こういうものを、ゆっくりじっくり読む時間と器量を持つオトナになりたいものです。

  • [ 内容 ]
    その本の世界から誘いだされた詩と、その本の世界へ誘いだす詩。
    「二十世紀以後の詩」から、固有名の秘めもつ力を伝える92人92篇を選んだ初のアンソロジー。

    [ 目次 ]
    長田弘―世界は一冊の本(序詩として)
    中島敦―遍歴(アウグスティヌス、アナクレオン、アミエル、…)
    金子光晴―召集(アリストファネス)
    オーデン―(中桐雅夫訳)W・B・イェイツをしのんで3(イェーツ)
    安西冬衛―打楽器(ヴァレリー「最後のマラルメ訪問」)
    大岡信―「文明」と「文化」の論(ヴィーコ「新しい学」)
    リンゲルナッツ(板倉鞆音訳)―ウェーデキント追憶(ヴェデキント)
    日夏耿之介―書斎に於ける詩人(エラスムス、ほか)
    多田智満子―エクピローシス以後(エリアーデ「永遠回帰の神話」)
    天沢退二郎―墓守として(円卓の騎士)〔ほか〕

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 作家、作品に対する思いの詩を集めるってすばらしい。私もできるなら感想などを詩で書きたい、無理かなぁ....

  • いちばん最初に出てくる詩がすごいです。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

長田弘(おさだ・ひろし)
1939年、福島県福島市生まれ。早稲田大学第一文学部独文専修卒業。詩人。65年、詩集『われら新鮮な旅人』でデビュー。98年『記憶のつくり方』で桑原武夫学芸賞、2009年『幸いなるかな本を読む人』で詩歌文学館賞、10年『世界はうつくしいと』で三好達治賞、14年『奇跡―ミラクル―』で毎日芸術賞をそれぞれ受賞。また、詩のみならずエッセイ、評論、翻訳、児童文学等の分野においても幅広く活躍し、1982年エッセイ集『私の二十世紀書店』で毎日出版文化賞、2000年『森の絵本』で講談社出版文化賞を受賞。15年5月3日、逝去。

「2022年 『すべてきみに宛てた手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長田弘の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島由紀夫
J.L.ボルヘス
ヴィクトール・E...
サルバドール プ...
J・モーティマー...
ウンベルト エー...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×