- Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622050599
感想・レビュー・書評
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「民主主義」と「議会主義」は、異なる。議会制度を採用しているからといって民主主義的とは限らない。
また、独裁と民主主義は必ずしも矛盾しない。
ナチスに味方した筆者の、議会主義批判と民主主義に関わる議論。
議会主義が機能不全に陥っているというのは、今にも非常に通じる話で興味深く読めた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[ 内容 ]
ナチス政権下の公法学者であったシュミット。
ワイマール体制下、議会制民主主義を批判し、独裁理論を考察しながら、ドイツの新しい政体を模索した問題の書。
[ 目次 ]
第1章 民主主義と議会主義
第2章 議会主義の諸原理
第3章 マルクス主義思想における独裁
第4章 議会主義の敵・直接的暴力行使の非合理主義的諸理論
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
ワイマール期の憲法学者、政治思想家Carl Schmittの代表作。現代議会の病巣を痛烈なまでに指摘している。残念ながらいまだに克服されたとはいえない。
議会主義の精神が失われるならば、機能的に他の政治システムに対して優位するに過ぎず、新たに機能的な政治システムが登場するまでの間、議会システムは機能するに過ぎないと述べる。<br>
現時点において、そのような機能的側面からも、議会システムを肯定する学説は有力である。
それはデモクラシーにしてもそう。ダールはまさに機能的・手続的にデモクラシーを計量しようと試みた。<br>
現代議会主義の精神史的基盤は、自由主義にこそあり、民主制ではない。このテーゼに理論的に反論をすることができなければ、シュミットを否定することはできないだろう。<br>
そして、まだ見たことがない。