パトゾフィー

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622075110

作品紹介・あらすじ

人間の生は合理的な認識よりも反論理的なパトスに支配されている。生命と環境の相互関係をパトスの様相のうちに求め、個人の心身と病理から社会の臨床へいたる壮大な"医学的人間学"の全貌。

感想・レビュー・書評

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  • 「ゲシュタルトクライス」の著者による「医学的人間学」の未完の大著。
    いきなり「ものの悪意」とか「物質の妄想」とか、かなり突飛な断言が飛び出して面食らう。しかも著者は神経内科医であって、根本的に哲学者ではない(とはいえ、博識で、哲学もよく読んでいる)ためか、あまり綿密に語られておらず、いまひとつ説得力がない。
    しかし我慢して読み進めると、第2部以降から面白くなってくる。
    生命の「反論理」的性格という中心思想はなかなか魅力的だが、哲学書としてはどうもうまく書けてないような感を否めない。この本が未完の著作だということも原因なのだろうが。
    後半に出てくる「性」に関する章はすこぶる面白かった。

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著者プロフィール

(Viktor von Weizsäcker)
1886年ドイツの著名な学者、政治家の家系に生まれる。1904年テュービンゲン大学医学部入学、のちフライブルクやハイデルベルクで神経生理学・哲学・内科学を学ぶ。11年医師免許と博士学位を取得。20年ハイデルベルク大学医学部附属病院神経科部門長、のち正教授。26年フロイトとの知遇を得たのち、ゲシュタルトクライスの理念と医学的人間学の構想を具体化していく。41年ブレスラォ大学神経内科学教授。45年野戦病院を各地に撤退させるも米軍捕虜として敗戦を迎える。46年ハイデルベルク大学医学部附属病院「臨床医学総論」講座教授。51年パーキンソン病発症、57年死去。邦訳に『神・自然・人間』『ゲシュタルトクライス』『パトゾフィー』(以上、みすず書房)、『病因論研究』(講談社)、『生命と主体』(人文書院)、『病いと人』(新曜社)がある。

「2020年 『自然と精神/出会いと決断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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