- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622075578
作品紹介・あらすじ
「木の上に、ぽっかり人間が浮かぶ遊びの空間があればいいのだ」-浅間山麓で週末の山小屋生活をつづけて四半世紀、詩人が綴る"田舎暮らし"の楽しみと日々。
感想・レビュー・書評
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前作にあたる『雨過ぎて雲破れるところ』を読んで
「なんて面白い人たちなんだろう」と感動してから3年経ったわけで
その間『月刊みすず』に連載されたものが纏められています
いや、前作で面白さを知ったワタクシは、その後雑誌連載を毎月読んでおり
ページを切り取ってバインダーに綴じていたのですが
やはりこうやって一冊の書籍になると雰囲気が変わり、読み返してみたくなります
...雑誌連載時には写真も掲載されていなかったし
前作同様、浅間山麓の「山小屋」に集う仲間たちとの交流記で
毎年同じようなイベントが繰り返されてもいるのですが
本作では新しく始まったプロジェクトとして
全編を通してツリーハウス作りが行われています
ワタクシが初めてこの本を読んで「なんて面白い人たちだろう」
そう感動した理由が、このツリーハウス作りに凝縮されているような気がします
「理由」を説明すると長くなるので
それは改めて書くつもりです
ということは抜きにしてもツリーハウスってワクワクしませんか?
大人に残った最後の子供心、とまで言うと大袈裟だけど
ちょっと憧れてしまいますよね
この連載を読み始めてしばらく経った頃
図書館でツリーハウスの本を借りてきてページをめくったものでした
(http://todomatsu.com/archives/2010/11/25/post_2096.php) -
月刊誌『みすず』連載のエッセイ、「山小屋便り」(2007年6月〜2010年6月)をまとめたもの。以前読んだことのある『雨過ぎて雲破れるところ――週末の山小屋生活』(みすず書房2007)の続編にあたる。詩人である著者が、四半世紀に渡って週末を過ごしてきた嬬恋の山小屋に、独特な形のツリー・ハウスが出来た。今回の3年に渡るエッセイは、そのツリー・ハウス建設の過程を中心に、山小屋に集う地元の人々や著者を訪ねてくる音楽家や染色家などと楽しげな交流を綴りながらも、その間に亡くなった著者の父親への哀悼をこめたエッセイとなっている。前作で知られるようになった「アリスジャム」作りも相変わらずだし、ネパール式の竹ブランコも年々改良が加えられて4代目が組み立てるまでになっている。今回の主眼となっているツリー・ハウスは試行錯誤の末に、独創的な建築家・藤森照信氏の「高過庵」を参考に、世にも不思議な形のものとなって仕上がっている。庭の二本の栗の木の上の三層デッキのてっぺんの魔女の家のようなツリー・ハウスは、自然な形の流木の手すりや階段に彩られ、夜の姿はまるで森に浮かぶ燈台のようだ。