瓦礫の下から唄が聴こえる―― 山小屋便り

著者 :
  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622077343

作品紹介・あらすじ

浅間山麓の山小屋で週末を過ごすこと30年、自然と向きあいながら「血のつながらない新しい家族の形態」を模索してきた詩人が、東日本大震災発生で何を考え、どう行動したか。津軽三味線奏者2代目高橋竹山とともに被災地をめぐり、東北民謡発祥の地を訪れ、海から山を、山から海を思う。詩集『明日』により第20回萩原朔太郎賞を受賞した著者が綴った詩文集。

感想・レビュー・書評

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  • 高橋竹山/佐々木幹郎「3.11の明日へ 瓦礫の下から唄が聴こえる」開催
    震災直後に東北巡礼をした二人が、3・11の明日を語り、唄う「3.11の明日へ 瓦礫の下から唄が聴こえる――高橋竹山×佐々木幹郎」が2013年12月13日(金)、茨城県つくば市のつくばカピオホールで開かれます。
    3.11の明日へ 瓦礫の下から唄が聴こえる――高橋竹山×佐々木幹郎

    出演  高橋竹山(津軽三味線・唄) 佐々木幹郎(トーク&詩の朗読) 小田朋美 (ピアノ)
    会場  つくばカピオホール (茨城県つくば市竹園)
    開場 18:30  開演 19:00
    入場料  一般:前売3000円/当日3300円  学生・障がい者:2500円
    チケット取り扱い  カピオホール・ノバホール
    チケットweb予約  http://artnpo.exblog.jp/
    お問い合わせ  メール akuaku[at]midi.co.jp  電話090-8580-1288 / 080-3251-8959(野口)
    (メールアドレスは[at]部分を@に変えてご利用下さい)
    http://gareki311.jimdo.com/

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    「「東日本大震災の以前と以後で何が変わったのか。わたしたちは何に試されているのか。詩や歌を書いても、書かなくてもいい。ただ、表現者の位置に立つ限り、過去から、未来から、言葉は試されている。この国に浮かぶ膨大な死者の霊に試されている。これから生まれてくる子どもたちにも試されている。このことの実感を持つかどうか、そのことも試されている」

    浅間山麓の山小屋で週末を過ごすこと30年、自然と向きあいながら「血のつながらない新しい家族の形態」を模索してきた詩人が、東日本大震災発生で何を考え、どう行動したか。津軽三味線奏者2代目高橋竹山とともに被災地をめぐり、東北民謡発祥の地を訪れ、海から山を、山から海を思う。詩集『明日』により第20回萩原朔太郎賞を受賞した著者が綴った詩文集。 」

  • 城田純二さんがライブで紹介されていたので読みました。詩人佐々木幹郎が、津軽三味線二代目高橋竹山とともに東日本大震災後の東北を廻った記録などが収められた詩文集。

  • 副題に「山小屋便り」とあるように、「月刊みすず」に連載されている著者のシリーズ・エッセイ集の第3弾にあたる。

    ただ、今回は2011年3月の東日本大震災に係わる特別編集ということで、「月刊みすず」連載以外に他のメディアに発表されたものも多く含まれている。特に著者が友人である津軽三味線奏者・二代目高橋竹山さんと共に、東北の被災地を訪れ人々の声を記録する取り組みに焦点が当てられている。

    いつもの山小屋メンバーの動静が描かれているところなどは、同窓会的雰囲気を感じる。しかしながら、あの大震災と福島原発事故後の状況では、自ずと平常時とは異なり、山小屋に集う人々にも幾分かの影が射すようだ。

    現代に深く係わる詩人としての使命感と感性で、旧知の竹山さんと門付けスタイルで被災地を訪れる著者。

    古来からの日本の伝統的な門付け芸スタイルを踏襲しながら、慰問がてらに三味線と民謡を聞かせ、人々の心の奥に潜んでいる声を拾う旅は、癒しでもあり祈りでもある。

    タイトルに込められた深い思いが、読んだ後の感動を惹き起すことだろう。

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著者プロフィール

詩人。1947年奈良に生まれ大阪で育つ。同志社大学文学部哲学科中退。
ミシガン州立オークランド大学客員研究員、東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文芸非常勤講師を歴任。
詩集に『蜂蜜採り』(書肆山田、第22回高見順賞)、『明日』(思潮社、第20回萩原朔太郎賞)など。
評論・エッセイ集に『中原中也』(筑摩書房、第10回サントリー学芸賞)、『アジア海道紀行』(みすず書房、第54回読売文学賞)、『やわらかく、壊れる』(みすず書房)、『雨過ぎて雲破れるところ』(みすず書房)、『旅に溺れる』(岩波書店)、『瓦礫の下から唄が聴こえる』(みすず書房)、『東北を聴く―民謡の原点を訪ねて』『中原中也―沈黙の音楽』(ともに岩波新書)など。『新編中原中也全集』全6巻(角川書店)責任編集委員。
最新刊に、共著『大正=歴史の踊り場とは何か── 現代の起点を探る』(講談社選書メチエ)、詩集『鏡の上を走りながら』(思潮社)、英訳詩集『Sky Navigation Homeward』(Dedalus Press)。
第1回大岡信賞受賞。

「2020年 『猫には負ける』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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