- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622078739
作品紹介・あらすじ
ヘイト・スピーチとは何か。それは社会の何を壊すのか。ヘイト・スピーチが不快感をもたらすことは規制の根拠にはならない。それは人の「尊厳」を傷つけるから規制されるべきなのである。ヘイト・スピーチが攻撃するのは、社会の基盤そのものである。ではヘイト・スピーチ規制と、表現の自由はどう両立するか。日本と同じくヘイト・スピーチ規制のないアメリカの議論を紹介し、ヘイト・スピーチの定義、その問題点、法規制の根拠を、様々な角度から明らかにする。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
SDGs|目標10 人や国の不平等をなくそう|
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/64625 -
社会
-
【書誌情報】
四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/352頁
定価 4,320円(本体4,000円)
ISBN 978-4-622-07873-9 C0036
2015年4月10日発行
〈https://www.msz.co.jp/book/detail/07873.html〉
【目次】
目次 [/]
第一章 ヘイト・スピーチにアプローチする 001
尊厳と安心/二つの書評の物語/私の控えめな意図
第二章 アンソニー・ルイスの『敵対する思想の自由』 022
第三章 なぜヘイト・スピーチを集団に対する文書名誉毀損と呼ぶのか 041
「ヘイト・スピーチ」の意味/集団に対する名誉毀損/文書名誉毀損の種類/刑事文書名誉毀損と無秩序/個人と集団/集団の評判を攻撃する/ボーハネ事件判決とニューヨーク・タイムズ社対サリヴァン事件判決
第四章 憎悪の外見 076
秩序ある社会はどのように見えるか/ロールズと言論の自由/政治的美学/秩序ある社会における憎悪と法律/安心/ポルノグラフィとの類比/競合する公共財/明白かつ現在の危険か/法の支配と個人の役割/移行と安心
第五章 尊厳の保護か、不快感からの保護か 124
尊厳を傷つけることと、不快にすることの違い/複雑性/人種差別主義的罵詈/宗教的憎悪と、宗教的不快感を与えること/分厚い皮膚/アイデンティティの政治のもたらす危難/尊厳の概念は曖昧すぎるのか
第六章 C・エドウィン・ベイカーと自律の議論 172
言論の自由の原則に対するいくつかの例外/率直な議論を行う/「内容に基づく」規制/思想の市場/切り札としての言論の自由?/エド・ベイカーと自己開示
第七章 ロナルド・ドゥオーキンと正統性の議論 206
ドゥオーキンの議論/ドゥオーキンの議論は制約されうるか/正統性とは何を意味するか/正統性は程度の問題か/深刻な論争の終結/共同体とデモクラシーについてのロバート・ポストの見解/政府に対する不信
第八章 寛容と中傷 243
オズボーン事件/寛容の構想/ヘイト・スピーチに関するフィロゾーフの立場/社会性/釈義と発掘/中傷についてのヴォルテールの見解/寛容についての研究文献とヘイト・スピーチについての研究文献
謝辞 [279-280]
訳者解説(二〇一五年三月 谷澤正嗣 川岸令和) [281-293]
原註 [v-xliii]
索引 [i-iv] -
筆者のヘイトスピーチによる被害と、その影響に関する意見には賛同する。言論の自由との両立についての議論については、やや難解な部分もあり、全てに賛同するわけではない。ただ、言論の自由との両立が非常に難しい問題を孕んでいることを認識したうえで、禁止を法制化しないと危険であり、反対派に付け込まれることになる。
-
316.853||Wa