本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622080787
作品紹介・あらすじ
市民的自由を説いた『自由論』で知られる19世紀イギリスの先駆的思想家。自らの精神の来歴を率直に書きとどめて近代日本でも広く読まれた古典の画期的新訳。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
歴史を書くのは全然義務ではなかったが、義務として書かなければならなかったものもある。詩である。あれは、課題の中で大嫌いなものの一つだった。なにもギリシャ語やラテン語で書かされたのではない。そもそも作詩法も教わらなかった。そんなことに時間をかける価値はないというのが父の持論で、朗読させて音律のまちがいを直すだけでよしとしていたからである。ちなみにギリシャ語では散文すら書かず、ラテン語でも申し訳程度だった。外国語の完全な習得に作文が効果的であることを父が知らなかったはずはないが、そのための時間がどうしてもとれなかったからである。というわけで、私が書かされたのは英語の詩だった。
全3件中 1 - 3件を表示