アネネクイルコ村へ―― 紀行文選集 (大人の本棚)

著者 :
  • みすず書房
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本棚登録 : 10
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622080923

作品紹介・あらすじ

「紀行文は紀行文に親和する。犬たちの最大関心事が他の犬たちであるように。」ソビエトへ、メキシコへ。自由な精神が見て取った世界の心情。大人の旅行文学。

感想・レビュー・書評

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  • 連休のある晴れの一日
    むろん、どこにも出かけることもなく
    玄関の「箱庭」に椅子を持ち出して
    初夏の陽射しの中に素足を晒して
    岩田宏さんの 紀行文を読む
    緑の風がやわらかく吹いている
    音楽はナンシー・アジュラム
    本の中に入り込んでいると
    まるで 
    メキシコのアネネクイルコ村の
    土埃の舞う道に立っているような

    至福のときである

  • 時おり手に取りたくなる、みすず書房「大人の本棚」シリーズの最新刊。
    副題に付けられていた「紀行文選集」という言葉と、『紀行文は紀行文に親和する、、、ちょうど、犬たちの最大関心事が他の犬たちであるように、、、』という宣伝コピーにいたく惹きつけられた。

    1960年代から70年代にかけて出かけたソビエト、イタリア、フランス、そしてメキシコについての紀行エッセイが多数収録されている。

    特に多くページを割かれたメキシコへの三度にわたる訪問記が、一番生き生きとして楽しい。同じ場所を二度三度と再訪する場面が以外に新鮮だ。

    トロツキーつながりと言えども、いまでこそもてはやされている異端の女流画家フリーダ・カーロの家を銀山の町・タスコ訪ねるくだりなど、どれだけ先見の明があったのかと驚くばかり。

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著者プロフィール

岩田 宏(いわた・ひろし)
1932年、北海道生まれ。2014年没。詩人、作家、翻訳家。「岩田宏詩集」で藤村記念歴程賞。著書『同志たち、ごはんですよ』『踊ろうぜ』『息切れのゆくたて』(いずれも草思社)、『アネネクイルコ村へ』(みすず書房)など。小笠原豊樹名義での翻訳書も多数。マヤコフスキー、ザミャーチン、ソルジェニーツィン、レイ・ブラッドベリなどのほか、アンリ・トロワイヤ『サトラップの息子』『クレモニエール事件』『石、紙、鋏』(草思社)、マルコム・カウリー『八十路から眺めれば』(草思社文庫)など。

「2019年 『文庫 渡り歩き』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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