望郷と海 (始まりの本)

著者 :
制作 : 岡 真理(解説) 
  • みすず書房
4.75
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本棚登録 : 103
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622083566

作品紹介・あらすじ

「人は死において、ひとりひとりその名を呼ばれなければならないものなのだ」。シベリアでの収容所体験の日々と戦後日本社会に著者は何をみたか。

感想・レビュー・書評

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  • ひきうけることを考える。

    シベリア抑留ということが気になりだしたのはいつ頃からだっただろうか。

    よく覚えていない。いままでぼくはなんでこんなことをよく知らずにいたのだろうか、と思ったはずだ。いまだってよく知っているわけではないのだけれど。戦後というものの裏地にあたるもののような気がしている。あまり見えない、積極的には見せない、そういう裏地。抑留経験者をどういうふうに受けいれるのか、もしくは抑留経験者自体はどのように自らを馴らしてゆくのか、どうか、ということにおいて、この国のすがたが見えてくる、というのもあるけれど。彼らの目に映っているものと、みな静かでありしかしながらなにかたぎるようなものを感じる石原吉郎や長谷川四郎のようなひとたちの文章は、わたしは読んで、そのうちのほんのわずかな部分であろうと、ひきうけることができないのだろうか。と思う。

  • 望郷と海読了。「生きる」と「人である」と「人として生きる」は違うという事。

  • 石原が抱いた恐怖は存在に関わるものだ。まずシベリア抑留という国家から見捨てられた立場があり、次にいつ殺されるかわからない情況がある。つまり彼らは二重に否定された存在なのだ。
    http://sessendo.blogspot.jp/2014/10/blog-post_2.html

  • 人とは何か
    人としての尊厳とは何か
    生きるとは何か

    考えさせられる

  • 壮絶な体験とそれを語る冷めた眼。その計り知れない沈潜した寂寥感に胸塞がれる思いです。このような文章こそ教科書に掲載してたくさんの人々に知ってもらいたいものです。
    名前を剥奪されたあまたの死者達の声が打ち捨てられたままになっています。冥福を祈ります。

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著者プロフィール

大正4年静岡県伊豆に生れる。昭和13年東京外語ドイツ語部卒。昭和14年応召、在隊中ロシア語の教育を受ける。昭和20年敗戦の冬ハルピンでソ連軍に抑留され、アルマ・アタへ送られる。昭和24年カラガンダで起訴され、重労働25年の判決を受ける。昭和28年特赦により帰還。

「2016年 『サンチョ・パンサの帰郷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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