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- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622083641
作品紹介・あらすじ
「人間は何によって自律性を獲得することができるのか」。個人が「群衆のなかの孤独」から脱する道筋を真摯に模索する。ギトリン「解説」、加藤秀俊「『孤独な群衆』をめぐる半世紀」を付す。
感想・レビュー・書評
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下巻は主に当時の米国の政治をめぐる状況が分析されており、このへんはさすがに古いし、日本の状況からはやや遠い。
そのあと、著者は「他人指向型」等の弱点を乗り越えるために「自律型」というのを提案する。「自律」を持ってくるのは常識的な感じもするが、果たして時代の推移として有効なのかは怪しい。
こんにち的な状況を見ると、米国でも、徹底的な「自己管理」が「要求されている」ことはまちがいない。この要求は人間性からはかけ離れた恐るべき冷酷さの「規制」である。これは「自律」というよりも、機械論的な社会倫理の「掟」だ。
上巻のレビューで私が書いたように、リースマンが1950年頃に分析した状況より、さらに一段階、文化はあたらしいレベルに到達していると思う。だからこの本は古くて無効だとは考えていない。むしろ、さまざまな思考をうながしてくれる点で、やはりこれは、価値ある歴史的名著なのだと思う。
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