- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622086550
作品紹介・あらすじ
「読者よ、これは誠実な書物なのだ……わたし自身が、わたしの本の題材なのだ」(モンテーニュ)
「とりとめのなさというか、ややたががゆるんだようなところが、『エセー』のすばらしさだと映る。しかも、このとりとめのなさが、読後、煙のように消えてしまう性質のものかといえば、そんなことはない。いくつかの核のようなものが、読者の心の深いところに確実に宿る。そしてそれが、あるとき、ふっと浮かんできて、ああ、あの個所、どんな調子だったっけなどと、また読み直してみる気になる」(編訳者あとがき)
モンテーニュは、自分をはじめて見つめた人、人間が生きるための元気を鼓舞してくれる人である。「エッセイ」というジャンルの水源たる古典を、読みやすい新訳で。全巻の掉尾をかざる「経験について」ほか11章。
感想・レビュー・書評
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フランスの哲学者ミシェル・ド・モンテーニュのエセーの抄本。
心にスッと入ってくる言葉が多く、何度でも読み返したいと思えました。
最後の、経験についての章は病気や死に対しての話が多いがそれがまったく暗くなく、この世で死なない人はいないのだと寧ろ自然に受け入れていくという精神の強さを感じました。
小説でもエッセイでも、病気や死についての話が怖くて避けたい私としてはビクビク読んでいたけど、逆に気持ちが楽になりました。
人間は不完全なものであって、全てを完璧に思う通りにできるものではない。欠点を数えても反省を繰り返しても意味はない。それなら、自然にまかせて
自分の全てを受け入れるしかない。そうすれば人生は豊かになる。
と、そういうふうに捉えました。
訳がとても分かりやすくて、テンポ良く読み進められるし、長い話も間があるおかげで疲れませんでした。
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モンテーニュは「自然なものはすべて善である」という。この考え方を本書で知ることができた。西田幾多郎の哲学で凝り固まった見方をときほぐしてくれた。
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想像していたよりユルく、肩肘はらずに読める。腎臓結石に割かれたページ数の多さに笑ってしまう
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モチーフに対してコメントをするエッセイのようなもの。 モンテーニュが1500年時代を生きた昔の日度であるから、コメントの引用となる事象が古代ローマのカエサルやキケロがーの言葉や行いとなっている。 古代ローマが好きな方ならきっと楽しく読めるでしょう。
モンテーニュの父親が教育に対してとても真摯で計画性を持って実行された方のようで、こうした家庭・貴族・一族の影響でモンテーニュの学問から職業まで充実したものであったのではと推察されます。
手に取るきっかけは、素敵な表装でしたが読んでいくうちに、私の直感は当たっていたと思った一冊でした。 -
原題:Les Essais
著者:Michel Eyquem de Montaigne
訳者:宮下志朗
【書誌情報】
四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/264頁
定価 3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-622-08655-0 C1098
2017年9月7日発行
「読者よ、これは誠実な書物なのだ……わたし自身が、わたしの本の題材なのだ」(モンテーニュ)
「とりとめのなさというか、ややたががゆるんだようなところが、『エセー』のすばらしさだと映る。しかも、このとりとめのなさが、読後、煙のように消えてしまう性質のものかといえば、そんなことはない。いくつかの核のようなものが、読者の心の深いところに確実に宿る。そしてそれが、あるとき、ふっと浮かんできて、ああ、あの個所、どんな調子だったっけなどと、また読み直してみる気になる」(編訳者あとがき)
モンテーニュは、自分をはじめて見つめた人、人間が生きるための元気を鼓舞してくれる人である。「エッセイ」というジャンルの水源たる古典を、読みやすい新訳で。全巻の掉尾をかざる「経験について」ほか11章。
<https://www.msz.co.jp/book/detail/08655.html>
【簡易目次】
読者に
悲しみについて
われわれの幸福は、死後でなければ判断してはならない
一方の得が、他方の損になる
みずからの名声は人に分配しないこと
匂いについて
年齢について
さまざまの書物について
われわれはなにも純粋に味わわない
なにごとにも季節がある
後悔について
経験について