- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622087526
作品紹介・あらすじ
万能でパワフル、しかしもっとも誤解されているピアノという楽器。
ピアノの音はどこで作られるのか。指は細長いのが理想? 和音はなぜ人を感動させるのか。ベートーヴェンはピアノを使わずに作曲し、モーツァルトはピアノに頼りそれを恥じていた。優れた調律師は優れたピアニストより少ない。コンサート会場の聴衆の咳は何を意味するか。レコーディングで「切り貼り」を目立たなくするコツ。――軽妙なタッチの逸話でローゼンが語るのは、ピアノが19世紀のクラシック音楽を牽引し、そして衰退していった物語だ。
世界的なコンサート・ピアニスト=西洋音楽史と文学に詳しい理論家が、80歳を目前にしてその経験と知恵を結集した、味わい深く痛快なエッセイ。ここにはピアノ演奏の苦しみと歓びが、演奏家、定年でピアノを始めた人、CDでもっぱら聴く人、みんなのために書かれている。
「音楽について物を書く人間で、ローゼンのような才能をもつ者は他にいない」(エドワード・サイード)
感想・レビュー・書評
-
楽譜や奏法にも触れたエッセイのよう。ピアノの歴史だったり作曲家そうだったのかと一歩踏み込んだところが感じられた。
客が帰ってしまうからと会場の鍵をかけてしまった、演奏家はあの作曲家のppを弾くことに飽きてしまった等、読みながら笑ってしまう箇所もありました。解説本とも歴史書とも違う感覚がとても良かった。この本が好きと思ったらパリ左岸のピアノ工房も好きかも⁈です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/714063 -
20190727 中央図書館
著者は、フランス文学の教授にして、プロピアニストであるらしい。ロジカルであり親しみやすい、ピアノ音楽についてのエッセー。
音楽はどういう意味を持つものか、プロの演奏者は何を考えているのか。コンサートやレコーディングで演奏者は何を行っているのか。作曲者は何を表現しようとしたかったのか、など、全体を丁寧かつ平易に解説している。岩城宏之などのように週刊誌コラム風ではなく、ちゃんとした本であることがふさわしい。