- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622088035
作品紹介・あらすじ
古代ギリシャの哲学者へラクレイトスは、「なべての物は流れ、すべて〈ある〉はなく〈なる〉のみ」という有名な言葉を残した。本書の表題は、存在(ある)から発展(なる)への、つまりは可逆的な力学的世界観から不可逆的な熱学的世界観への転換を意味している。
古典物理学の三大支柱のうち、力学と電磁気学は、ある時刻における条件が与えられればその後の変化が確定的に決まるという意味で〈決定論的〉であり、また時間の向きを逆転してもそのまま成立するという意味で〈可逆的〉である。これに対し、熱力学は古典物理学においてきわめて異質的な存在で、その著しい特徴は不可逆性にある。熱現象に特有のこの不可逆性は可逆的な力学理論からどのようにして導出できるのであろうか。
本書は、非平衡熱力学の開拓者である著者が〈発展の物理学〉における自らの独創的業績の基礎を体系づけ、その哲学的意義を明示したものである。構想力に富む本書は、不可逆性への新しい視点を提供するとともに、物理学的世界観の変革への契機をはらむものとして注目を集めている。
著者イリヤ・プリゴジンは、ブリュッセル自由大学教授、テキサス大学統計力学・熱力学センター所長を兼ね、非平衡熱力学、特に散逸構造理論への貢献によって1977年度のノーベル化学賞を受けた。
感想・レビュー・書評
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[出典]
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こちらも新装版か。でも、これはかなりおもしろかった記憶がある。ワクワクしながら一生懸命に読んだなあ。学部の3年のころ。沢田康次先生の生体物理の集中講義を聴いた後やな。こんなおもしろい学問があるのかと夢中だった。