一般言語学【新装版】

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622088202

作品紹介・あらすじ

〈「社会を全体として伝達理論に関連して解釈する」という前途洋々たる企てを開始したのは、レヴィ=ストロースであった。……それゆえに言語学と、経済学と、最期に親族および婚姻の研究とは、「戦略的に異なるレベルにおいて同一種の問題に接近し、事実同一の領域に属する。」……レヴィ=ストロースは、言語は上記の三レベルのすべてに介入すると、正しく強調している。〉
構造言語学そして現代思想の形成に寄与した、言語学者による論文集。レヴィ=ストロースに影響を与えた著者ならではの「人類学者・言語学者会議の成果」にはじまり、失語症の問題、音韻論、文法、そして通信理論や翻訳や詩学と言語学との関連など、広範にわたる主題の全12編。

感想・レビュー・書評

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  • 新年初読書。本当ならば修論を書く前に読むべき本なのだが、今更読んでみた。本書はロマン・ヤーコブソンの基本理念をほぼカバーしており、音韻や文法、詩学など現在でも盛んに議論される内容が既に論じられている。ロシア語の動詞体系を有標と無標の二項対立ですべて解釈するところは、見事としか言いようがない。またヤーコブソンの他分野に対する姿勢も伺え、文学をはじめ、人類学、通信工学、心理学、生物学など、言語学との学際的交流の必要性を述べている。彼の主張は決して時代遅れではなく、現在でも全く通用する。

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著者プロフィール

1896-1982。モスクワに生れる。ラザレフ東洋語学院、モスクワ大学大学院を卒業。1915年モスクワ言語学集団を創設。1920年チェコスロヴァキアに移り、マサリック大学においてロシア語学などを講ずる。1926年プラーグ言語学集団の創設に参加し、トゥルベツコイを援けて活躍。1939年ナチスの侵入にあって、デンマークとスウェーデンに2年間滞在し、それからアメリカへ移る。1942-46年ニューヨークのÉcole Libre des Hautes Étudesで教鞭をとり、その間にレヴィ=ストロースと相知る。ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学の教授を兼任。両大学名誉教授。業績は多方面にわたるが、その集成としてSelected Writings of Roman Jokobson (The Hague: Mouton,1962-2013)がある。邦訳は、『音声分析序説』(1965、研究社)『一般言語学』(1973、みすず書房)『音と意味についての六章』(1977、みすず書房)など多数。

「2019年 『一般言語学 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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