ランスへの帰郷

制作 : 三島 憲一 
  • みすず書房
4.00
  • (4)
  • (1)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 173
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622088974

作品紹介・あらすじ

貧家出身の著者は、例外的な階級上昇をとげて大学教授になった。そして彼はゲイだ。本書は、労働者階級と同性愛に対する二重の差別にまみれた著者の半生記であり、その存在を恥じてひた隠しにしてきた家族と絆を結び直す、実際の、そして心の「帰郷」の記録である。凄まじい階級社会、執拗な性規範、教育制度の闇、左翼知識層の空疎さ、そして民衆の右傾化を鮮烈に描いた仏独ベスト&ロングセラー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  
    ── エリボン/塚原 史・訳《ランスへの帰郷 20200503 みすず書房》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4622088975
     
     Eribon, Didier 10 July 19530610 France /
     
    (20221007)
     

  • ゲイとして自由に生きること、知識人となり、労働者階級という出自から自由になること。フランスの地方都市、ランスを捨て、パリを目指した若い著者は二つの自由を手に入れる。 彼にとって帰郷とは、そのことの意味を探る旅だった。

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000945864

  • 翻訳は よく考えると意味はとれる,いかにも翻訳しました.という文体である.哲学者の書いた,かなり硬いフランス語なのかもしれないが,仏独でよく売れたほんだとしたら,この翻訳のレベルは低いはずである.下層階級の困難さを恨みつらみを交えて書いてあるのが,嫌味でもあるが,立ち止まって考えさせることでもある.アメリカのラストベルトの白人がトランプに投票する現象を考えるのに参考になるか.

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

フランスの社会学者・哲学者。1953年フランス北東部の主要都市ランスに生まれ、ランス大学とパリ第1大学で哲学を学ぶ。『リベラシオン』紙、『ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール』誌で文芸・思想記事の執筆者として長年活動後、カリフォルニア大学(バークレイ)、ケンブリッジ大学などで客員教授を務め、2009年から2017年までアミアン大学教授。その後ダートマス大学モンゴメリー・フェロー(特別研究員)に選出された。主著『ゲイ問題についての考察』(Réflexions sur la question gay, 1999)はジェンダー論の重要文献とされる。邦訳された著書に『ミシェル・フーコー伝』(新潮社 1991)、インタヴュー著作にレヴィ=ストロース『遠近の回想』(みすず書房 1992)、デュメジル『デュメジルとの対話』(平凡社 1993)がある。『ランスへの帰郷』(みすず書房 2020)は数か国語に訳されたベストセラー。

「2020年 『ランスへの帰郷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ディディエ・エリボンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×