日蓮: (ミネルヴァ日本評伝選)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623039586

作品紹介・あらすじ

鎌倉仏教の祖師としてあまりに有名な日蓮は、いまなお数々の伝承に包まれている。本書は、伝説と奇瑞のヴェールの背後に潜む日蓮の行実と思想の真相を解き明かし、その信の世界の核心にまで降り立つことを目指す。

感想・レビュー・書評

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  • 膨大な日蓮研究の成果をふまえ、その足跡を精緻に裏づけた質の高い評伝。神話と史実が腑分けされ、一個の人間・思想家としての日蓮像を明らかにする。同時に中世という時代の相貌を活写する。『日本中世の国家と仏教』と併せて読みたい。

    はしがきより「日蓮の一つひとつの言動は、それが発せられた状況と場を離れては、生命の通わないただの鉄片にすぎない。日蓮の宗教者としての魅力は、それらの鉄片を引き寄せ命を吹き込んでいく、強烈な信念の磁力にこそ存在するのである」。

  • 穏当、妥当な評伝。学術的な基盤は確か。信仰という次元まで肉薄できているかは疑問だが、熱原の法難については別格。意義がよく分かる。

    ・〈融和主義〉は伝統仏教教団が、教団相互、及び教団と国家権力との平和共存の理論的根拠として編み出した、きわめて政治的な主張だった。(P302)
    ・事の戒壇はありうる。(P317)
    ・中山法華経寺は富木常忍の開基。(P335)

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著者プロフィール

東北大学大学院教授

「2009年 『日本文化論キーワード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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