カ-ル・ポランニ-の社会哲学: 『大転換』以後 (MINERVA人文・社会科学叢書 112)
- ミネルヴァ書房 (2006年4月1日発売)
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感想 : 1件
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- Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
- / ISBN・EAN: 9784623044771
作品紹介・あらすじ
ポランニー研究の新しい地平-高弟の手による会話録「ウィークエンド・ノート」を手がかりに、『大転換』以後の思想像に迫る。
感想・レビュー・書評
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カール・ポランニーの思想を振り返るのに、非常に有益だった。
ポランニーは、精緻な理論で社会や経済の構造を解明する(マルクスのように)といった学者ではなかったのかもしれないが、「市場経済と社会の二重運動」論に見られるように、転換する社会を概観的にとらえながらも、その中に働いている力学や人々の考え方と行動の関係性を、描き出したという点では、やはり重要な学者だったと思う。
また彼が決して懐古主義者ではなく、社会が転換していくこと自体を認識したうえで、外部のメカニズムによる必然としてそれを語り切ってしまうのではなく、その内部にある葛藤にも似た社会の動揺も、社会の転換のあり方を決める重要な要素であるという点を主張したということが、大切な点ではないかと思う。
彼の残した学問的な遺産を現代に活用するためにも、筆者が語るように「中からの視点」を持ちながら社会の変化を考えていくことの重要性を改めて認識できた。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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