本田宗一郎―やってみもせんで、何がわかる (ミネルヴァ日本評伝選)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623058556

作品紹介・あらすじ

本田宗一郎(一九〇六〜一九九一)本田技研工業株式会社の創立者にして技術者。夢へ向かうエネルギーと人間的魅力に溢れ、周囲の人々を奮い立たせそして、一つにまとめあげた。徒手空拳からスタートし、ホンダという世界屈指の組織を作り上げた宗一郎は、今もなお求められる経営者像を体現している。大きな夢を天衣無縫に追い続けた男の人生を描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 平成27年5月5日読了。全くもってスケールの大きなカリスマである。あの世できっとスティーヴジョブズと闊達な議論を戦わせていることであろう。
    市場調査なんて全く無意味。誰も体験した事のない、新しい需要を創り出す事に意味があるのだというポリシーには共感を覚える。

  • クルマ好きのわたしは、T360、N360に始まりシビック、そしてCVCCエンジン以降の四輪車の歴史と晩年の好々爺然とした本田宗一郎氏は知っていましたが、彼がどのように生きてきたかをこの本で体系的に知りました。

    奉公に行った東京のアート商会で頭角を現したこと。後にのれん分けしてもらい、浜松で起業したこと。戦中は、ピストンリングの製造を手がけたこと、1945年9月にその会社をトヨタに売り、本田技術研究所を立ち上げたこと。
    そして、数々の出会い。
    後にトヨタの社長になる石田退三氏、そして本田技研で副社長として宗一郎氏とともに経営に励む藤澤武夫氏。
    研究所で宗一郎氏とともに過ごした人たちが、二代目、三代目の社長になる。そして、宗一郎氏は自分の一族を会社に入れることはありませんでした。
    貧しい暮らしから、人の平等、学歴に対する反骨心を持ち、仮説を実践し、ものを造り、生産性を上げ、会社は数度の危機をその都度乗り越えて行きます。メーカーの社員以外にも、販売現場や修理にあたるディーラーの方がたに敬意を払い、社長退任後、日本全国通津浦々まで販売店を訪問し全員握手の旅に出る。さらには海外にも足を延ばします。
    アメリカ人のディーラー経営者から尊敬される日本人。現代の立志伝上の人物でありました。
    そして人を動かす言葉の数々。
    「人を動かすことができる人は、他人の気持ちになることができる人である。」「哲学のない人は経営をやることができない」「能率とはプライベートの生活をエンジョイするために時間を酷使することである」
    極めつけは、本書の副題になっている「やってみもせんで、何がわかる」
    学びの多い本でした。

  • 松下幸之助と並んで
    日本を代表する経営者
    本田宗一郎さん。
    お金持ちから差別された幼少時代、人間は平等であるべきと
    考えたこと。

    修理業は物の修理だけでなく、お客様の心を治すこと
    従業員の働く環境を大切にする。とりわけトイレはきれいにする。

    社長だからとおごらず、社長は一つの役割と話すところ。

    お腹を空かせた社員に先にご飯を食べてもらおうと、
    一番後ろに並ぶこと。

    社員を大切にすることを行動であらわすところに
    人間性の高さを感じます。

    「成功は99%の失敗を支えた1%」
    とことん、やってみること

    わたしたちも実践したいです。

  • 2019/1/20読了。
    本田宗一郎の数々のエピソードを通して彼の魅力、人間臭さを感じることができた。技術の前に思想が大切とは彼の言葉であるが、思想が前提にあり、それに基づいて技術を開発することが技術者にとっては特に重要なのだと思う。

  • 改めて知る、本田宗一郎。戦後、浜松で立ち上げた技術研究所を世界的な会社に育てた、戦後を代表する企業人の人生。戦前に自動車整備会社を経営、次いでピストン製造会社を立ち上げる、敗戦に際して、二番目のピストン製造会社を、トヨタに売却、1年間の人間休業宣言。そして改めて始めた、三社目が、本田技術研究所、現在のホンダであります。波乱万丈、やってもみせんで、何が分かるか、であります。 

  • 請求番号:289.1/Hon

  • 二階に上げ、はしごを外して、下から火をつける
    やってみもせんで、何がわかる
    宗一郎の社長退任はオイルショックの一ヶ月前 1973/10
    社のモットー 3つの喜び 造って喜び、売って喜び、買って喜ぶ
    人生は見たり、聞いたり、試したりの3つの知恵でまとまっているが、そのなかで一番大切なのは試したりであると思う
    不常識を非真面目にやれ
    社長退任後、全国の本田の営業所をすべてまわり、現場で働く人と握手をした (1974年)
    理念なき行動は凶器であり、行動なき理念は無価値である
    目配り、気配り、思いやり
    肝がんの末期 順天堂医院 山内裕雄院長 1991/8/5 84歳

    クルマ屋のおれが葬式を出して大渋滞をおこしちゃ申し訳ない
    自動車殿堂入りスピーチ
    http://www.youtube.com/watch?v=f9kDSqQb7S0

  • 私が最も尊敬する経営者です。
    改めて、「本田宗一郎」の生い立ちから、晩年まで、
    壮絶人生を知りました。
    「やってもみもせんで、何がわかる」
    の言葉には、グッときましたね。
    元気がもらえる一冊です!

  • 野中郁次郎『経営は哲学なり』では、本田宗一郎が提唱した三現主義を論及!!

  • チョット感動して、泣けちゃいました。

    わがままなガンコ親父が「がむしゃらな情熱」や「現場を大切にする心」の大切さを教えてくれます。

    テクニックや効率も大事です。
    しかし「熱意」がなければ人はついてこないし「やってみなければわからない!」と言われているような気がします。

    こういう人にならなければ!
    そう思わせてくれる良い本だと思います。
    オススメします。

    〈備忘録〉
    「創意工夫は苦し紛れの知恵である」
     →もがいてみろ!
    「共に危険であるならば、少しでも前進の可能性があることを選べ」
     →消極的になるな!
    「やってみもせんで、何がわかる」
     →文句言わずにやってみろ!

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著者プロフィール

国際大学学長、一橋大学名誉教授
1969年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。72年カーネギーメロン大学経営大学院博士課程修了・PhD。その後一橋大学商学部で教鞭をとり、85年教授。この間スタンフォード大学客員准教授等を務め、東京理科大学大学院イノベーション研究科教授を経て2017年9月より現職。

「2019年 『激動の平成 日経 平成三部作』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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