歌と絵本が育む子どもの豊かな心:歌いかけ・読み聞かせ子育てのすすめ

制作 : 田島信元  佐々木丈夫  宮下孝広  秋田喜代美 
  • ミネルヴァ書房
4.50
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 26
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623070152

作品紹介・あらすじ

世界中の子育て文化のなかで根づいている、歌いかけや読み聞かせ。伝統的に、言語獲得やコミュニケーション力の発達を促進し、さらに情緒や感性を豊かにするなど、様々な効果について言われてきているが、これまで実証的に明らかにされてはこなかった。本書では、歌や絵本について長年研究を重ねてきた著者らが、その効果について、実証的に明らかにしていく。またそのなかで見えてきた歌と絵本のもつ魅力を伝えるとともに、いま改めて子育て文化としての歌いかけと読み聞かせの意義を問う。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 歌い聞かせ、読み聞かせが子どもにどういう影響を与えるか、数名の著者が学術的に論じている。
    歌い聞かせ、読み聞かせがいいことだというのは通説だが、何がいいのかが様々な視点から考察されており、非常に興味深かった。

    以外、自分用メモ。
    乳児には、読み聞かせよりも歌い聞かせの方が落ち着く。歌い聞かせの方が母音が長いことがポイント。胎内では子音がよく聞こえないため、母音が長い歌い聞かせの方が落ち着く。
    0〜2歳児には情動的読み聞かせを行い、それ以降は子どもの様子を見て、情動的にするか、朗読的にするか判断する。子どもが自己内対話活動をしている時に情動的なのは邪魔。

  • 絵本の効用はよく見るけれど、歌に関しての具体的な効用は知らなかったので、参考になった。

    公文の言う
    「歌二百、読み聞かせ一万、かしこい子」
    の「かしこい子」
    というのは決して知識量のことを言うのではなく、
    ・他社との共同行為ができ
    ・それを基盤に身につけた言語能力を使って
    ・必要な時に他社とかかわりながら
    ・自らの知識を創発的に蓄え
    ・駆使できる熟考的認知、論理思考を持つ
    ・かつ、それを基に他社の気持ちを察しながら
    ・自分の気持ちを調整しつつ
    ・社会的活動、対人的活動を展開できる

    子ども。ということ。
    知慧の子。
    平たく言うと社会性となるけれど、バランスよく他人と折り合いながら自分の力を出して生きていける子ということかな。
    賢いの意味を図り間違わないようにしながら、子どもの基盤をつくるために歌や読み聞かせを一緒に楽しみたく思う。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

東京外国語大学名誉教授

「2024年 『高齢期の発達科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×