河原ノ者・非人・秀吉

著者 :
  • 山川出版社
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本棚登録 : 203
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (713ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634150218

作品紹介・あらすじ

非人の世界に身を置きながら関白にまで昇りつめた秀吉。あらゆる史料を熟読し、秀頼は秀吉の実の子ではないことも立証。被差別民の新たな活動と役割を中世の視座から明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 日本における被差別民の問題を中心に、画期的な論を組み立てた歴史の専門書。被差別民に関するところはなかなか良かったけど、ただ、秀吉に関する論はちょっと強引というか、資料の扱い方が恣意的な気がするなあ。

  • もっと もっと
    中世の「歴史」と「史実」を語る
    「本」が出てきて欲しいと
    いつも 思ってしまう

    むろん この一冊も
    とても興味深いものである

    権力者の歴史ではない
    われわれのような
    ほぼ なんの力もない庶民の側から
    とらえた視点がうれしい

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/57895

  • 秀吉についての記述はおまけ程度。
    最初から最後まで内容が濃い。

  • 非人・非差別民に対する記述を読みたかったので、面白かった。

  •  非常におもしろい。豊臣秀吉の謎の多い出自、秀頼の出生の謎。なぜ関ヶ原の合戦で加藤清正、福島正則ら子飼いの大名たちが西軍に味方せずに東軍を味方したかが判明。
    歴史の謎が明らかななった。

  • 秀頼が秀吉の実子でなかったという説、それに伴い、陰陽師が追放、処刑された話がなんとも興味深い。
    全体的にかなり専門的な内容が多く、読み終わるのに随分時間がかかった。犬追物の実態とか、中世のハンセン氏病患者のこと、時宗と被差別民との関わりなど、改めて知ることも大変多かった。
    この本を読んでから洛中洛外図をみると、だいぶ見方が変わると思う。
    随分歴史の研究も進んでいるのだなぁと改めて感じた。

  • 第二部の豊臣秀吉に関する部分だけを読む。衝撃的な内容で、今後の戦国時代全般を見る目が変わってしまうほど。著者も述べる通り、新しい資料の発掘によってではなく、おなじみの資料についてのタブーを恐れない再解釈によって、いままで見たこともない秀吉像を浮かび上がらせている。晩年の彼の狂気に対する違和感は、自身の出自や世継ぎ誕生に関わる舞台裏の隠蔽と操作を見ると、何かしら必然めいたものを感じる。ただ、ここで展開される仮説がどれだけ蓋然性が高くても、これによって史実や物語にいかほども影響を与えないかもしれない。秀吉は相かわらず農民の子であり、秀頼は秀吉の子であると信じられつづけるだろう。
    疑問に感じたのは次の2点。1.なぜ秀吉は、鶴松の死後にも、もう一度公認の「非配偶者間受精」を行なうことを諦め、秀次を後継者に選んだのか?
    2.なぜ淀殿は、秀吉非公認の「非配偶者間受精」によって秀頼を産んだにも関わらず、その後で後宮の長である北政所とのパワーバランスが逆転したのか?

  • 社会の不可欠な機能として存在していた賤。その構造は複雑であり、表面的な差別という理解では捉えきれない。本書はそのダイナミズムをよく描いていると思う。が、一方では、中上健二の指摘の通り天皇制を座標軸とした連関も包含する必要があるのではなかろうかという印象を持った。秀吉に関する推論は知的冒険として大変興味深い。

  • 立ち読みで知った。

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著者プロフィール

1949年名古屋に生まれる。1976年東京大学大学院修士課程修了後,東京大学文学部助手。1978年文化庁文化財保護部記念物課文部技官,1985年同調査官を経て,1994年から九州大学大学院比較社会文化研究科助教授,1997年教授,2011年から2013年まで研究院長を兼任。2015年九州大学退職後,くまもと・文学歴史館館長に就任し2021年退任。現在名古屋城調査研究センター所長。

『景観にさぐる中世―変貌する耕地景観と荘園史研究』(新人物往来社,角川源義賞受賞),『武士と荘園支配』(山川出版社),『地名の歴史学』(角川書店),『峠の歴史学』(朝日新聞出版部),『河原ノ者・非人・秀吉』(山川出版社,毎日出版文化賞受賞),『蒙古襲来』(山川出版社),『蒙古襲来と神風 中世の対外戦争の真実』(中公新書),他編著書多数。

「2022年 『しぐさ・表情 蒙古襲来絵詞復原』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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