クライシスマネジメントの本質: 本質行動学による3.11 大川小学校事故の研究
- 山川出版社 (2021年3月3日発売)
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感想 : 6件
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- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634151864
作品紹介・あらすじ
東日本大震災から10年。なかでも108名のうち74名が犠牲となった大川小学校(宮城県石巻市)の事故は、「人災」とする遺族らによる長い闘いの末、2019年の最高裁決定で教育行政の「組織的過失」が認定された。なぜ隣接する裏山へ子供たちは逃げられなかったのか?なぜ市教委の事後対応は遺族たちに不信感を与え、その後の検証委員会も遺族らの疑問を解明できなかったのか?震災直後から現地でこの問題に取り組み、「組織的過失」を予見していた著者が、その「失敗の本質」を明らかにし、教訓からクライシスマネジメントのあり方を提言する。
感想・レビュー・書評
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本の雑誌・年間ベストから。作者の字面、見覚えがあるよな~と思っていたら、いつかその著書を読んで、他のものも是非、と思っていた方だった。そういう意味でも惹かれた一冊。論旨は、大川小学校で突出して見られた被害を、丁寧に紐解くもの。その中で、色んなバイアスにも言及があり、実践に役立つ防災の知識も身につく。大震災のあとの余震という見方でなく、そのまえの前震という考え方は、予測のつかない自然の驚異と向き合うにあたり、大きな示唆を与えるものと考える。それにしても、こんな大きな災害下にあってさえも目につくのが、お上の隠蔽体質っていうのが泣けてくる。
以下、敢えて言うなら、なんだけど、本書が論文の延長上のものだから仕方ないかもしれないけど、特に前半、同じ内容が何回も繰り返されるのがしんどい。あと、文章の拙さがちらほら目につくのも△。大勢としては非常に興味深い論文でした。
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