福島県の歴史散歩 (歴史散歩 7)

制作 : 福島県高等学校地理歴史 公民科(社会科) 
  • 山川出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634246072

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  • 仙台への通過だけで、1回しか下車していないので、ほとんど知りませんでした。

    桜井古墳(南相馬)、おつづらうま(まつり)
    清戸さく横穴墓(双葉町)
    埴輪(いわき市)
    松川浦(相馬市)

    新地貝塚。観海堂。相馬馬追い。

  • 「東北」のなかで、いまのところ私が行ったことがあるのは福島だけ。1度めは仕事で、ほとんど福島大学にデンして帰ってきたような行程だったため、福島というより、往復で乗った東北新幹線の車窓から見た風景が強く印象に残っている(私が長年乗ってきた東海道・山陽新幹線とは、植生も違えば、景色もぜんぜん違うのだった)。

    2度目は旅行で。5月の福島は、大阪でいうと2~3月から5月頃につぎつぎと咲くような花が(水仙から、梅、桜、つつじまで)一斉に咲いていたなあという花の記憶と、ぐるりと360°湖面の際がみわたせる猪苗代湖の風景が、とくに印象深かった(関西人にとっての湖イメージに貢献している琵琶湖は、向こうの湖岸が見えないくらい大きいせいもある)。

    といっても東北の地は遠く、関東以北の私の脳内地図はかなり大ざっぱで、福島は(北を上にして)「茨城の上、宮城の下」くらいの把握をしていたが、この本に載っている「福島県全図」の地図を見て、福島が、山形、新潟、群馬、栃木とも県境を接していることに、やっと気づく。

    栃木の那須塩原へは、ニキ美術館を訪ねて3度ほど行ってるのに、その那須と福島がこんなに近いことも、あまりわかっていなかった。

    「福島県のあゆみ」として、原始時代から近現代までが巻末に数ページまとめられているが(原発のこともここに出てくるのみ)、本文の主なところは、「歴史散歩」として赴くことのできる、いわゆる名所旧跡の紹介で、それらの史跡や文化財などはおおむね近代までの範囲。その歴史的経緯の紹介とともに、風土や自然、祭りや郷土の食、郷土がうんだ人物などが書き込まれている。

    こないだ武藤義男さんの本を読んだ目には、「河野広中(こうのひろなか)と三春」と題されたコラムにある、自由民権運動の話がとりわけ印象的だった。

    ▼福島県は1878(明治11)年に独自の代議制「民会」を発足させ、翌79年には全国初の県会を設置している。河野広中は1881年、県議会議長となり、福島事件にかかわり、獄中生活を送った。
     …
    三春町から自由民権運動に参加し、多くの指導者を輩出した背景には、河野広中という優れた指導者がいたということだけでなく、民権家を育む教育機関があったということが大きい。1878(明治11)年、河野広中らによって政治結社三師社が結成され、1881年には三春正道館が創立されている。三春正道館は、旧藩校明徳堂跡に建てられ、近代的な政治教育をする青年の教育機関で、当時、県内唯一の政治教育の学塾でもあった。設立費から維持費、すべてに公費(町費)があてられていたこともほかに類がない。ここから政治に目覚めた有為な青年たちが巣立っていったのである。(p.151)

    松川事件の松川駅は、福島なのだということにも初めて気づく。下山事件、三鷹事件にひきずられて、なんとなくあの3つの事件は東京のことだと思いこんでいた。

    そのほかにも、長沼智恵子の生まれも福島やなあとか、読んでいて、福島のことが少しわかってきた気がした。

    あれが阿多多羅山、
    あの光るのが阿武隈川。
    ここはあなたの生れたふるさと、

    と、高村光太郎は「みちのくの安達が原の二本松松の根かたに人立てる見ゆ」(樹下の二人)と記している。

    福島の近現代史をもう少し読んでみたくて、そして河野広中や福島の自由民権運動のことをもう少し知りたくて、図書館でレファレンスを依頼。

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