北条高時と金沢貞顕: やさしさがもたらした鎌倉幕府滅亡 (日本史リブレット人 35)
- 山川出版社 (2009年10月1日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (85ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634548350
作品紹介・あらすじ
北条氏一門最後の得宗北条高時。『太平記』が伝える彼の人物像は果たして本当なのであろうか。また、北条高時政権とは本当に無能で無策な乱政であったのであろうか。明治時代以来長く語り継がれてきた『太平記』依存の北条高時像に対し、執権北条高時とともに鎌倉幕府を主導した連署金沢貞顕の書状を数多く含む『金沢文庫古文書』をはじめとした鎌倉幕府側の資料と突きあわせることで、北条高時の人物像と北条高時の時代を再検証する。
感想・レビュー・書評
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かつての大河ドラマ、高時=片岡鶴太郎、貞顕=児玉清というインパクトの強いキャストによる〈空虚感〉が頭から離れない。幕府は官位制に代わる身分制の秩序を作れず、署判をすえる執権・連署は従四位下以上の位階か昇進する要件を満たす必要があり、得宗家に中継ぎ執権が必要な所以であった。貨幣経済の展開に伴う御家人制破綻期で、高時政権が現体制を守ろうとすればするほど御家人を苦しめる皮肉な立場となり、得宗被官になり財務負担を軽減するものも増え、得宗権力は増大したが、長崎高資ら内管領は正六位と権威では役不足だった(2009年)
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太平記の描く北条高時像とは異なるその実像、そして高時政権を支え次期執権となった金沢貞顕(北条貞顕)について。
鎌倉時代後期についての基礎的な知識がある前提での内容になっています。
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