土方歳三と榎本武揚: 幕臣たちの戊辰・箱館戦争 (日本史リブレット人)

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  • 山川出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634548688

作品紹介・あらすじ

新政府軍に敗れた旧幕兵たちは、甲州から奥州、箱館へと転戦してゆく。激動の幕末に旧幕陸軍・海軍のキーパーソンとして活躍した土方歳三と榎本武揚を取り上げ、幕府の解体過程を辿りつつ、二人の生き様を描く。

感想・レビュー・書評

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  • このリブレットシリーズは、コンパクトだが非常に要点をついた解説で面白い。

    榎本武揚といえば、「米のみず」。すごい酒豪だったらしい。
    それしか知らなかったのですごく新鮮で勉強になった。

  •  鳥羽・伏見敗戦後の旧徳川幕府の動向に焦点を絞った戊辰戦争史。主戦派の榎本武揚と土方歳三、対する恭順派の勝海舟の視点から内戦の推移を立体的に描いている。小著だが情報量は多く、特に戦局ごとの旧幕府軍の編制に紙幅を費やしている。

  • タイトルは、勝海舟と土方歳三と榎本武揚でもよかったと思う。戊辰戦争から明治新政府樹立までの、幕府側首脳、陸軍、海軍のそれぞれ中心人物の行動が史料をもとに淡々と描かれる。「私戦」-旧幕府軍が新政府軍に戦をしかけることも、新政府軍が旧幕府軍に戦をしかけることも、ともに-で、国を支えている江戸の市民に戦禍をこうむらせることは為政者のなすべきではない、民衆の生命と生活を政治判断の中心に位置づける点でも勝は稀有の政治家だった、と。ただ、恭順派首脳の苦闘が、ただひたすら恭順することをよしとしない勢力による「私戦」をもはやおさえることができず、新政府からの矢のような催促との板挟みになっていることと手に取るように描かれ。土方、榎本についてもヒロイックには描かれず、己の信念に従い、刻一刻移りゆく状況の中で最善と判断したことを、粛々とすすめるも、最後までまとまらない東北諸藩や、頼みにしていた戦艦の相次ぐ沈没などの状況が、不利に働いた面が描かれていた。もっと明治維新後の榎本武揚を知りたいと思い手にとったがその面は満たされず。

  • 詳細ですが、何人か最低限人物像がないと、読むのが大変かと思います。ゴールデンカムイ的タイムリー人物。

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著者プロフィール

1944年生まれ。
東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。
専攻、日本近代史。
元国立歴史民俗博物館館長(名誉教授)・東京大学名誉教授。

主な著作
『日露戦後政治史の研究』(東京大学出版会、1973年)
『幕末維新風雲通信』 (東京大学出版会、1978年)
『天皇制の政治史的研究』(校倉書房、1981年)
『国際政治下の近代日本』(山川出版社、1987年)
『幕末維新期の文化と情報』(名著刊行会、1994年)
『幕末維新期の社会的政治史研究』(岩波書店、1999年)
『歴史のなかの新撰組』(岩波書店、2004年)
『通史の方法』(名著刊行会、2010年)
『幕末維新変革史』(岩波書店、2012年) 
『歴史のなかの『夜明け前』 平田国学の幕末維新』(吉川弘文館・2015年)

「2018年 『幕末維新像の新展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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