院政期社会の研究

著者 :
  • 山川出版社
3.20
  • (0)
  • (1)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 38
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (522ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634615601

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読みたい箇所だけ読んだので、星はつけられないというか、つけたら著者に失礼になりそうなので、控えます。

    たまたまとある人のブログで頼長の台記の事を知ってから、読みたくなってしまい、けれど台記自体を読むのは困難(国立国会図書館所蔵)なため、周辺をから読み始めたのでした。最初は東野治之先生の論文、日記にみる藤原頼長の男色関係ー王朝貴族のウィタ・セクスアリスー とかからはじまって、次にこの本に至りました。

    台記には、政治的文化的意味があるので、出てくる男色の記述も、その中の一部として書かれているとのことなのですが、内容的には結構あからさまなので、そこまで書いちゃっていいの?という所があり、昔の人が書いたのに、目を点にしながらも、つい笑ってしまいます。

    この本では、東野先生の論文よりもう一歩突っ込んだ人物特定をしているので、両方併せて読むと面白さが倍増です。さらに言うなら、人物特定に入るまでに社会の仕組みについても書かれているので、男色が単に個人の趣味嗜好という範疇を超えて、政治的なかけひきという意味合いが大きく、読み物(とてもとても分厚いし、ほぼ漢文のような日記の訳についての詳しい解説はないのですが)としても割と面白いと思います。

    高校の時はあまり日本史好きではなかったんですが、こういう風に突っ込んで書かれたものを読むと、保元の乱や平治の乱の印象も違ってくるし、なかなか面白いものだと思わされました。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1946年生まれ。東京大学・放送大学名誉教授。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。専門は日本中世史。著書『院政期社会の研究』(山川出版社)、『吾妻鏡の方法』(吉川弘文館)、『中世のことばと絵』(中公新書)、『絵巻で読む中世』(ちくま学芸文庫)、『書物の中世史』(みすず書房)など。

「2019年 『中世史講義 院政期から戦国時代まで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

五味文彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×