- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635047807
作品紹介・あらすじ
秋田県内陸部、マタギの里として知られる阿仁の里。ここには、自然を活用しつつ、調和しながら生きてきた人々の暮らしがあった。マタギの家系に生まれ、シカリ(マタギの統領)として知られた故・松橋時幸氏の人生をたどり、失われつつある伝統的な山の民の暮らしを後世に伝え、現代への警鐘を鳴らす、作家・甲斐崎圭の筆が冴えた代表作。
感想・レビュー・書評
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2016.8.26「本嫁の会」で紹介。
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時代とともに生きたマタギ・松橋時幸さんの一生と暮らしを描いています。
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時代の流れと共にマタギが消えていった過程がよく分かる貴重な作品である。
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秋田の阿仁地方に産まれ、マタギのシカリを務めた松橋時幸さんの人生を辿りながら、山の民の暮らしを描いたノンフィクション。
現代では望めなくなった、自然を崇め、自然と共に人間が人間らしく活きる日々が新鮮である。
筑摩書房の単行本を底本に一部加筆・訂正、再編集。 -
秋田県の山深い里・比立内で第14代のマタギとして活躍された松橋時幸氏の半生を追ったルポです。
時幸氏はマタギの他、農業、林業を営み、川に魚を追い、旅館も営むという方。
その生活は自然と共に暮らすなんて言う生半可なものではなく、自然への畏敬、恐怖、しきたりという名の保護、野獣から集落を守る気持ち、色々な思いがないまぜになったものです。
そして、山深い集落に押し寄せる時代の波、生活様式の変化、行政の束縛、高齢化、過疎…。
その中でマタギとしての矜持を保ちながら、変化に適合していこうという姿。
話は戦中から昭和60年頃まで。既に半世紀が経過しており、時幸氏もなくなりましたが、今は婿さんが15台を継ぎ、松橋旅館も営業中です。一度行ってみたいなぁ。