ヤマケイ文庫 働かないアリに意義がある

著者 :
  • 山と渓谷社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635049207

感想・レビュー・書評

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  • 興味があって手に取った本ではなく、完全なるパケ(帯)買いならぬパケ読み。
    コロニーについて深く考えたことは全くなかったのだけれども、とても面白い読み物で、新しい知識を得られたことがうれしい~!
    虫大嫌いなので、虫の繁殖についてなんて考えたこともなかったけれど、すごい面白いね…!?
    不思議な出来事がいっぱいだった。

  • ・巣の中は安全、外は危険がいっぱい。だとすると余生が長い若いアリには巣の中で安全な仕事(子育て等)をしてもらい、歳を取ったアリには外で危険な仕事をしてもらう。結果として死んでしまったとしても余生は短いので巣全体に対する損失は小さい。人間は逆(老人を敬う)のは、過去は老人の経験や知識が有益であったから。現代はどうだろうか?
    ・エサを取りに行く時に、発見したアリのルートを辿らずに間違えてしまうアリがいた方がショートカットを見つけられるかもしれない。
    ・個々のアリは仕事をしたい/したくないという主観ではなく、単に刺激(=業務)に対しての閾値が違うだけ。怠け者も仕事量が増えれば働くようになる。
    ・皆が同じ閾値を持っているといざという時に疲れてしまっていて、酒が絶滅する可能性がある。短期的には怠け者のアリがいると非効率になるものの、長期的には種の存続に貢献するのである。
    ・短期的な効率性の追求と長期的な持続性はトレードオフの関係ということか。
    ・中には全く働かないフリーライダーも出てくるが長期的には、巣はフリーライダーだけになり滅びる。その滅びた巣に種への貢献だけを行うアリが移ってきてまた反映していく。つまり、フリーライダーだらけにはならない。

    ・今は役に立たないことでも社会が変化した際に役に立つ可能性があることは持続性の意味ではmake sence(ふらふらしてるアリが餌までの最短距離を見つけることもある)

  • ハウスに放たれたミツバチはなぜかすぐに数が減り、コロニーが壊滅してしまう。
    人間も効率ばかり求めてはいけない、最大限に頑張るときでも2割(時間?)は休む必要があると思えました。
    余裕がないと、効率の下がる事って(考えたり、気付けない)良くありますよね。

  • 思いのほか薄くサラッと読めてよかった。生物の複雑さと持続させるための戦略はすごい。
    章ごとにポイントでまとめてくれているのもよかった。

  • 文章が固いのと、生物学、遺伝学など私の苦手な記述も多く、かなり読み飛ばしてしまった。

  • 自分とは全く違う専門の科学書だったが、分かりやすく応用しやすいエッセンスを取り込んであった。あまり実践的に役立つものではないが、知識を広げ考え方を拡張するという観点では長期的に有効と感じた。閾値と余力、適応度などの考え方は活かしていきたい。

  • 2010年に発刊された『働かないアリに意義がある』を底本とし、改訂されたもの。2021年初版。改訂版とあるが、うーん、正直どこが変わっているのか。読み比べてみたが、章立てもまとめも同じように感じるのだが。
    ただ、あとがきが追加されているのは、明らかに変わっている点。(ここだけ読むだけでもお得感あり)
    「働かないアリ」以降、筆者の生活がどのように変化したか、また、コロナ過の社会を迎えてしまい、人類がどのように”存続”を考えていくべきなのか。
    「大地変動の時代」に柔軟性を維持するヒントが満載だ。

  • 社会を持つアリの世界の奥深さ、そして社会性という面で人の世界との対比もあり、どんどん読み進めて面白かった。もう一度読んで、更に熟知したくなる本である。働かない働きアリは、無駄に意味を見いだし、それを楽しめることを体現しているのかもしれない。

  • やっぱり蟻は面白い‼︎
    反応閾値や個性があってこその社会。
    人間世界もそれで協力し合えるものであればなぁ。
    それも違うからこそ世界は面白いのかな。

  • タイトルは知ってて今回文庫として初めて読了。
    最初は、「はいはい、パレートの法則の話でしょ」ぐらいに思ってたが、そんな簡単な話ではなく生物の進化の複雑さと神秘さがわかりやすく書かれている。
    (あとがきを読むと、著者は異端の学説なのかな・・・?しかしそんなことは関係なく理路整然とした内容で納得した。)

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著者プロフィール

進化生物学者、北海道大学大学院准教授

「2022年 『面白くて眠れなくなる進化論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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