文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る (文系でもよくわかる物理学)
- 山と渓谷社 (2019年2月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635130103
感想・レビュー・書評
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早速だが「物理学」とはなんぞや…
ひとことで言うと何であろうか…
「複雑なものを単純化し、法則を見つけるもの」と著者は言う
なるほど
「なんでだろう?」をどんどん掘り下げていくのが物理だから、やめられなくなる(やめたくなる時のがたくさんある)
そもそもこの我々が生きている世界の誕生も物理現象から始まる
宇宙も我々も物理から決して逃れることはできない
そして意外にも物理の世界では未来は一つではないし、もっと自由に未来が決まる
奥深くて面白い
メールはどうして届くのか
空はなぜ青く、夕焼けはなぜ赤いのか
なぜ紫外線を浴びると日焼けするのか
わかる人からすれば常識
わからない人にはマカ不思議
これらは光の話だ
光ってなんなんだ
光の色はどうやって決まるのだ
私たちが見ているもの
物を見ても人を見ても景色を見ても…
一体何を見ているのか
それらは、物に当たった太陽の光や照明の光のうち、吸収されずに反射された光を見ているのだ
おおおお!(心の叫び)
例えば、赤色の物が赤色に見えるのは、そのものが赤以外の光を吸収し、赤の光だけを反射して、その赤色の光が私たちの目に届く
と言う仕組みだ
だから白色のものはすべのて光を反射し、黒色のものはすべての光を吸収する
だから黒い服着てると外に出た時暑いのだ(光を吸収するとエネルギーに変換される)
じゃあ光の色は何で決まるのか?
「波長」である
私たちが目に見える光の色は可視光線というが、この範囲からはみ出ると紫外線(波長短い)や赤外線(波長長い)となる
ちなみに日焼けするのは、赤外線でも可視光線でもなく、紫外線のみである
ここで光は波か粒かの話になる
詳細は省くが(というかまだ勉強不足でようわからんのです)、光というのはふだん波として伝わるが、モノにぶつかると粒子のようにふるまい始める(これが難解な量子論の世界だ)
紫外線は波長が短いため、粒ひとつあたりのエネルギーが高く、浴びたときにガツンとぶつかり突き抜けて入ってしまうのだ
さらに波長の短いものがX線(レントゲン、CT)やガンマ線(がんの放射線治療)となる
(だからこそ体の奥にまで浸透して、治療の道具となるのだ)
逆に赤外線は波長が長く粒ひとつあたりのエネルギーが低いため、体の表面で止まる
そのエネルギーを受け、体の表面が温まる
というわけで先の問題に戻ると
・メールはどうして届くのか
→ユーザーごとに周波数を変えている
ラジオみたいな感じ
周波数+専用コードで区別している
・空はなぜ青く、夕焼けはなぜ赤いのか
→紫外線=波長短い、赤外線=波長長い
これと同じで可視光線の中でも、
紫色=波長短い、赤色=波長長い
波長が短い光は大気中の様々な粒子にぶつかりやすいため、進路を曲げられ、かく乱しやすい
空の上では青い光があちこちに散らばっていて空が青く見える
では夕焼けの赤色は?
波長の長い赤い光はまっすぐ進む
かつ太陽の位置が関係する
日が昇る頃、日が暮れる頃と言うのは太陽は我々から見て真上ではなく横のほうにいる
つまり太陽が遠い位置になり、青い光は波長が短く届かなくなり、波長が長い赤色の光が届くのだ
とりあえず一番わかりやすい光のにフォーカスを当ててみた
他にも気になる題材はたくさんある
また宇宙物理学の先生なのでもちろん宇宙ネタも豊富だ
量子論の本を頑張って読んでいるが現在つまずき中で、困っていたところ、とてもわかりやすいこちらに救われた
興味があってもなんせ目に見えないミクロの世界のことが多く、腹にストンと落ちるのには時間がかかる
しかしこの世に物理が驚くほど絡んで成り立っている
一つ知ると、疑問がわき、解決するとまた疑問がわく…
それが数珠つなぎとなり、時間はかかるがだんだん理解が深まる
そんな手助けをしてもらって楽しめる
とにかくわかりやすく読みやすいので、物理が気になりながらもスルーしてきた人におすすめだ
正直期待以上で大満足
今後何度も確認するテキスト本になりそうだ
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私は物理学に対し「当たり前のことを学ぶだけの学問だ」と感じており、これまでたいして関心を抱いていませんでした。本書の中でも物理学とは世界の仕組みを知るための学問と定義づけられています。
しかし、本書を読んだ後の感想は180度変わりました。物理学はとてもロマンティックな学問であると感じました。
相対性理論を用いればどこでもドアもタイムマシンも作ることができます。また、この世には並行世界が存在していると物理的に主張されています。タイムマシンも並行世界も小説という文系の領域ではよく耳にしますが、理論的にこれらが存在するということが主張されていると聞いただけでワクワクしてきます。
タイトルにある通り文系の方にぜひ読んで頂きたい一冊です。 -
触りを知るには良いが、タイトルほどの驚きは無し
特に相対性理論と量子論についてページを割いているものの、佐藤勝彦さんの本の方が深く知れて面白いと思う。文系だとしてもこちらがおすすめ。
携帯がなぜ届くのか、
空はなぜ青いのか、
地球には何故四季が一年で訪れるのか、
などtips理解には良いかも -
量子論や相対性理論、宇宙論など物理学に関する典型的な疑問に関する説明を数ページにまとめた断章が集まって一つの本になっている。『世界の仕組みを物理学で知る』というタイトルだが、ここで「世界の仕組み」というのはいわゆる「社会の仕組み」というものよりももっと物理的にこの世界がどのように成立しているのかについて語ったものである。
「どうして雲は落ちないの?」や「空はなぜ青いのか、夕焼けはなぜ赤いのか」といった子どもも持つような疑問に物理学の視点で回答している。この人の説明はわかりやすい。
最後はマルチバースや人間原理について答えのない議論で終わる。シンプルで適当な長さで楽しめた。 -
一問一答形式で書かれており、内容もわかりやすかった。読みながら思わず、「へえ〜」とか「ああ〜」と声が出た。
わかりやすくするために、かなり抽象度を高めて、詳細を端折りまくっていると思うので、人によってはかなりむず痒いかもしれない。
もともと宇宙に関する読みたい本があったのだが、基本的な法則や現在の物理学でメジャーとされる議論の概要をわかっていないこともあり、読み進められず困っていたので、とっかかりとしてこの本はかなり良かった。
他の物理学に関する本も少しずつ読んでいきたいと思えたのも、この本の効果だと思う。
それにしても、よくSFなんかで時空が歪むとか、別の世界線なんかが出てきて「なぜこうもみんな似た様な不思議なことを思いつくのか?」と思っていたが、実際に物理学の説として存在していることを知り、現実と同じくらい、この世の創作も奥が深いな〜という気持ちになった。 -
りょうしりきがくの絵本を娘と読んだけど、何が何だか腑に落ちない感じがしてたところちょうど良い題材の本書が目に入り、手にとってみたとな。結論、量子に対する感覚はふわふわした印象で良かったのだと合点しました。
理科の実験レベルの波長と周波数のおさらいで電波ってどうして届くのとか序盤でふむふむ読み進んでいくと、ニュートンの万有引力、相対性理論、量子力学と本格的な内容に昇華されておりまして、概念としてこんなもんかなーというレベルでの認識はできたかなと。でもやっぱり相対性理論と量子論は頭でイメージしずらいし、理解をもっと深めたいなという野心も芽生えてきます。
人間原理論はカント哲学との相関もかんじられて、世の中の原理を追求するという目的はどこかしら似通っているところもあるのかなーと人文学寄りの私は思うのです。
後は個々の理論を入門書雑多読みしながら深めてこうけなと、知識の深淵は世界の見方を広げてくれるのかなという期待を孕みながら。 -
物理、化学が詳しくなくても理解できるほど、分かりやすかった。
『地球はなぜ青いのか?』
当たり前のことすら、
『なんで?』と疑問を持たせると、
答えられない事ってたくさんあるんだね。
面白い -
物理が解き明かす事象に具体的に興味を持つのには良いと思う。けど、初心者に向けるには若干言い回しが小難しく感じることがあり、スッキリする「まとめ」は多くないなと感じた。気になるワードを拾ってそこから自分で視野を広げるのにはいいのかもしれない。