文系でもよくわかる 宇宙最大の謎!時間の本質を物理学で知る

著者 :
  • 山と渓谷社
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本棚登録 : 39
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635130172

作品紹介・あらすじ

物理学では時間の向きは存在しない。なぜ時間は60進法なのか。超ひも理論とループ量子重力理論の時間の違い。サイクリック宇宙=終わりのない宇宙。意識は粒子でできている-時間の流れの中で、同一の意識が再生する可能性。時間はこの先も永遠に存在し続けていくのか。そもそも時間はどうやって生まれたのか。なぜ生まれたのか。時間とは一体何なのか――。この本では、・物理学者はどのように時間を扱ってきたのか(1章)・今につながる時間はどのように始まったのか(2章)・時間の終わり、つまり宇宙の終わりはどのように訪れるのか(3章)・時間を計る道具によって私たちの生活はどのように変わってきたのか(4章)・「1日24時間」はずっと変わらないのか(5章)と、時間というものをいろいろな角度から見ていきます。そうすることで時間とはいつも変わらずに存在し、一方向に流れ続けているだけの存在ではないことがわかってくるはずです。そもそも物理学では「過去から未来に時間が流れる」ということさえ、まったく自明なことではないのです。本書を読むことで、当たり前のように感じられていた時間の流れが実は当たり前ではないことを体感し、時間という概念が揺らぐことを楽しむことができるでしょう。

感想・レビュー・書評

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  • 宇宙論の物理学者によるシリーズ3作目、今回は時間について。説明が上手でうまくまとめられており、すぐに読めてしまう。ボルツマン脳や世界五分前仮説、エクピロティック宇宙論など、様々な興味深い思考実験も紹介。宇宙がビッグフリーズの状態になると何も変化が起きないので時間も意味をなさないとのこと。このシナリオが一番現実に近いのかもしれない。
    宇宙の年齢138億年てのは膨張スピードから単純に逆算されてるだけ、と説明されてるが、膨張スピード自体が常に変化してるはどう加味されてるのか詳細が気になった。
    ダークエネルギーは宇宙の加速膨張をうまく説明できるというだけでしか存在意義がなく、証拠も何もないとのことだが、加速膨張が宇宙の外的要因だったとすればもはや検証も不可能なのかと思ってしまう。
    地球の終わり方について、太陽が赤色巨星になって飲み込まれるのが約50億年後かと思ってたが、10億年後には地球表面温度が100℃を越えるという。
    シュメールの数学が60進法だったのは有名だが、指の関節を数える方法をとっていたとは知らなかった。時間で使われる60や12の単位は約数が多くて分けやすいために便利なのだとか。

  • 平易な文章で、難しい内容なのだろうが読みやすかった。現代の科学をもってしても時間の本質は結論がでていないが、少なくとも時間は絶対的なものではなく相対的なもの、というところは間違いないことは分かった。

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著者プロフィール

■松原 隆彦(マツバラ タカヒコ)
高エネルギー加速器研究機構、素粒子原子核研究所・教授。博士(理学)。京都大学理学部卒業。広島大学大学院博士課程修了。
東京大学、ジョンズホプキンス大学、名古屋大学などを経て現職。主な研究分野は宇宙論。
2012年度日本天文学会第17回林忠四郎賞受賞。
著書は『現代宇宙論』(東京大学出版会)、『宇宙に外側はあるか』(光文社新書)、『宇宙の誕生と終焉』(SBクリエイティブ)など多数。

「2020年 『なぜか宇宙はちょうどいい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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