日本政治史 -- 現代日本を形作るもの (有斐閣ストゥディア)

  • 有斐閣
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641150706

作品紹介・あらすじ

戦前期を中心に扱う日本政治史のテキスト。私たちが暮らすこの日本は,どのように形作られてきたのだろうか。幕末・維新期以来の日本政治の歩みをたどりながら,現代日本の来歴を学ぶ。史実を学ぶことはもちろん,歴史的リテラシーを高めるための一冊。

感想・レビュー・書評

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  •  学部生向けテキストらしい、幕末から55年体制までの日本政治史。プレイヤーの単位は、幕末は各藩、朝廷と幕府。明治期に入り日清戦争に至って国民意識が形成されると、藩閥と政党勢力。大正期には各政党。昭和期に政党政治が退潮すると再び非政党勢力。また、昭和期には田中義一内閣退陣や「聖断」に見られるように、天皇自身がプレイヤーになることもある。明治・大正天皇には(少なくとも本書からは)見られない役割だ。
     大きな流れとしては、明治期から昭和初期まで、政党勢力が次第に主流化していったということができる。非政党勢力であっても必ずしも政党と対立ばかりしていたわけではなく、桂園体制のように藩閥・政党勢力間の一定の妥協もあり、また軍部とて政党との協力が必要な時もあった。政党の側も、官僚出身の党員が増え政権担当能力が上がったということもあるだろう。一方で、ポピュリズムや腐敗など政党政治の負の面の記述は、本書からはあまり感じなかった。
     長い期間を扱う本だから仕方ないのだろうが、説明が不十分かと思える箇所も少なくなかった。新体制運動がそもそも何なのかの説明がないままに大政翼賛会の発足を述べるなど。

  • 東2法経図・6F開架:312.1A/Sh49n//K

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著者プロフィール

慶應義塾大学総合政策学部教授。2003年、慶應義塾大学大学院法学研究科単位取得、退学。博士(法学)

「2024年 『政務調査会と日本の政党政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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