ポリティカル・コレクトネスからどこへ (単行本)

  • 有斐閣
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641174771

作品紹介・あらすじ

誰もが手軽に表現するSNS普及後の世界で、人文・社会分野の研究者の視点はどのように活かせるのか。ジェンダーとフェミニズム、セクシュアリティとクィア、障害と社会モデル、エスニシティと社会的な望ましさなど、私たちが生きる現代社会の不均衡を知り、別のありかたへ。

感想・レビュー・書評

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  • 清水晶子さんとフェミニズムを話す。「違う生き延び方をしている人たちの選択を簡単に否定しない」 | me and you little magazine & club
    https://meandyou.net/202202-akikoshimizu/

    日本映画大学 ハン トンヒョン(先生からのメッセージ) | 大学を探すなら進学ナビ
    https://bit.ly/3STKFkE

    マイノリティ女性は声をあげてきた、でも…2021年に考えたい「日本のフェミニズム」の問題点【フェミニズム研究・飯野由里子】 | NOISIE(ノイジー)
    https://noisie.jp/works/1119/

    ポリティカル・コレクトネスからどこへ | 有斐閣
    https://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641174771

  • (少数者に)「思いやりはいらない」
    思いやりは誰に対してもあってもいいと思うけど、同情ってことかな。
    同情は、どこかしら「上から目線」な気がする。
    同情より理解(勉強)と共感。Empathy 。
    あと、「個人ではなく構造」
    とにかく対談がおもしろく、違う視点が興味深い。

  • マイノリティ保障について、寄り添いや思いやりではなく法整備を重要視している点が勉強になった

  • ポリティカル・コレクトネスについてはメディアへの登場も増え認知が広がっているが、その歴史について正しく学べる場は少ないように思う。しっかり学べる本書は重要であり、またこの知識を社会で共有していくべきと感じる。
    興味を持った大人が読むには非常に適切な内容だが、興味の浅い大人や子どもたちまで広く読まれるのには難解な表現も多い。一般に広めるために簡単なことばを用いた本があればよりよいと思う。

  • 社会的な正しさと道徳的な正しさの分水嶺。
    日本ではポリティカルコネクトネスが成熟していない。今後この2つが軸になるかもしれない。

  • 一方的に見える感じで、「ポリコレ!」って非難している人々の言い分をもっと具体的にとりあげて考えて反論してみてほしいと思う。最初の方で「差別」がちゃんと理解されてないから、みたいな話が出てくるんだけど、自分たちの理解が示されておらず、出てくるのはうしろの方のハン先生のやつだけ。

  • 【書誌情報】
    『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』
    著者:清水 晶子 (東京大学教授)
    著者:ハン トンヒョン (日本映画大学准教授)
    著者:飯野 由里子 (東京大学特任助教)
    発売日:2022年08月下旬
    版型:四六判並製カバー付, 260ページ
    定価:1,980円(本体 1,800円)
    ISBN:978-4-641-17477-1
    ジャンル:
      社会学 > 女性学・男性学・ジェンダー
      社会福祉 > 障害者福祉
      社会学 > エスニシティ 

     「不快な思いをさせてしまい,申し訳ございません」という謝罪をよく見かけるものの,この表現は的外れかもしれません。では,いったい何が問題なのでしょう。ジェンダー,セクシュアリティ,エスニシティ,障害を軸に,SNS時代のいま押さえておくべき基礎知識。
    [http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641174771]

    【簡易目次】
    序章 ポリティカル・コレクトネスをめぐる論点
    第1章 クイア・ポリティクスとポリティカル・コレクトネス
    第2章 「次善の策」としてのポリティカル・コレクトネス
    第3章 バックラッシュ/キャンセルカルチャーと法整備の必要性
    第4章 「思いやり」から権利保障へ
    第5章 マジョリティ性をどのように考えられるか
    第6章 「社会的な望ましさ」をめぐるコミュニケーションとしてのPC
    終 章 「正しさ」や「望ましさ」について議論を続ける

  • LGBTQ差別、障害者差別、外国人差別の3つの差別からポリティカル・コレクトネスを考える本。
    鼎談と三人の著者それぞれの執筆章を交互に挟んだ形式なので、とても分かりやすかった。

    特に障害者差別について知らないことが多かったので飯野由里子さんの章は勉強になった。「個人モデル」と「社会モデル」という言葉も初めて知ったが、障害者個人に障壁があるのではなく、健常者の使い勝手しか考えない社会こそが障壁であるという考え方は、本当に大事だと深く納得した。

    ハン・トンヒョンさんの章で、ポリコレを「社会的な望ましさ」と定義し論じている内容もとてもよく理解できた。
    憲法学者の志田陽子さんのポリコレに対する定義「マイノリティ側にも対等な言論の自由、表現の自由を保障する」という意図で「マジョリティ側の無自覚な差別に対しての気づきを迫る対抗言論を積極的に承認するもの」を引いているが、まさにそうだなと思う。

    ポリコレ棒などと呼ばれ揶揄されるように、ポリコレが日本では配慮の行き過ぎや言葉狩りと捉えられていることが多いのが残念。
    配慮が行き過ぎているどころか大分遅れているのに、バックラッシュが巻き起こっているというのも深刻な問題だと思う。海外では、差別があることについてどうするか?という議論なのに、日本では、そもそも差別は存在しないという話になって、差別があると認めさせることから議論を始めなくてはいけない、という話も深刻な問題だと思った。また、マジョリティの特権性について話すと、マジョリティ側を傷つけないように配慮してほしいという話になる、と…そこは配慮する必要あるのかな、と思ってしまうが…。

    全体を通して、清水さんがポリコレにリスクを感じているということが、どうにもよく理解できなかった。性的な自由さ(反道徳的なもの)とポリコレとは別に相反するものではないと思うのだが…(ハンさんもポリコレはその点も包摂していると言っているが)。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50317863

  • 気になった話題として,著者の1人が受けた要望が興味深かった.マジョリティが障害者に関する研修を受けてもその人たちが責められていると感じてしまうと話を聞いてもらえなくなる.もう少し彼らに寄り添った言葉遣いをしてほしいという要望である.これをどう考えたらいいか困惑しているという話が気になった.

    差別の話をすると反動化する人たちも一部でいるわけで差別解消を目指すにあたって(法の制定等)マジョリティ側の理解はどうしても必要なので,こうした彼らの心情の扱いは無視できない.

    この本でも他の先生方がそれぞれ反応しているが,どうしてマジョリティ側が傷つくのかという点はしっかり分析するべき重要な問題と思った.今後これに対してどういった分析が与えられるのか気になるところ.

    勉強になりました.

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著者プロフィール

東京大学大学院総合文化研究科教授。専門はフェミニズム/クィア理論。著書に『フェミニズムってなんですか?』(文春新書)、『読むことのクィア――続 愛の技法』(共著、中央大学出版部)など。

「2022年 『トランスジェンダー問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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