- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642054942
作品紹介・あらすじ
万葉集は、古代史の宝庫である。有間皇子・額田王・大伴家持など、白鳳・天平時代を代表する歌人たちの生き方や政治とのかかわりを追究。作者の心理まで立ち入り、日本書紀・続日本紀では窺えない歴史の一面を考える。
感想・レビュー・書評
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万葉集の著名な歌人の歌と生き様が描かれており、和歌に対して理解を深めるとともに、歌を通して飛鳥・奈良時代の人びとの生活と歴史がしのばれる。昔も、のどかな時間ばかりではなく、政争に命の危険をさらし、恋に涙し、家族の愛を思っていたことがよくわかる。自然の美はいまよりも格段に深かったと感じる。詳しすぎてわからないことも多かったけど、読みごたえがあった。
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読みやすく面白い本でした。悲運の有間皇子や、大津皇子、
彼らとかかわる額田王や川島皇子、志貴皇子が紹介されます。
額田王は、意志のある女性として解説がなされており、同感しました。
以前読んだ井上靖の『額田女王』と同様の解釈だと思います。
川島皇子や、志貴皇子についてはよく知りませんでしたので、
この本で大変興味を持ちました。
その他には、元明天皇、御名部皇女、大伴旅人、山上憶良、
元正天皇、橘諸兄、大伴家持などが紹介されます。
ちょうど、永井路子さんのこの時代を舞台にした小説を
読んだところでしたので、非常に理解が深まりました。 -
有名な歌を詠んだ頃の額田王の年齢が気になり、色々探していたらこれがありました。
有名な相聞歌は、天智天皇の後宮に入れられたあとの額田が宮廷の行事で前夫の大海人と再会した時の歌とされています。
これまでの解釈も分かり、面白かったです。
この本では額田は泣く泣く別れを強いられたのではなく、自ら次の恋を選んだ強い女性なのではという説。
他にも有名な歌を取り上げてあるので取っつきやすく、万葉集が日本書紀を補うような展開になっていることがわかります。