神話の法則―ライターズ・ジャーニー (夢を語る技術シリーズ 5)
- ストーリーアーツ&サイエンス研究所 (2002年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750002446
作品紹介・あらすじ
シナリオ・テクニックの世界的なベストセラー!「ライターズ・ジャーニー」日本語版。本書は心理学の巨匠カール・G・ユングと「ヒーローズ・ジャーニー」のジョーゼフ・キャンベルの深遠なるコンセプトを発展させた人生という旅のガイドブックでもある。
感想・レビュー・書評
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10.7.21 平成進化論
■今日は、この話をさらに補足します。
特に文章を書く職業にある人は
ご存知かもしれませんが、
【今日のお薦め本 夢を語る技術〈5〉神話の法則
─ライターズ・ジャーニー】
クリストファー・ボグラー(原著), 岡田 勲 (翻訳), 講元 美香 (翻訳)
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4750002445/2ndstagejp-22/ref=nosim
という本があります。
■かなり前のことですが、
私はこの本を読み、感銘を受け、
これを翻訳された
ストーリーアーツ&サイエンス研究所の岡田勲さん
という方の3日間の合宿セミナーに、参加したことが
あります。
■そこで伺った話で記憶に残っているのが、
「過去から伝承されてきた物語」
あるいは
「売れている物語」(小説、映画、ドラマなど)
には必ずその背景に「一定の型」があるということ。
いわば、
他者の感情を動かすための「ストーリーの鋳型」とでも
いうべきものがある、
という話を印象深く覚えています。
■さらに、
一本の映画を制作するのに巨額の金が動くハリウッドでは、
失敗のリスクを極小に抑えるため、
売れるストーリーづくりに、こういった鋳型を
存分に取り入れている、
という話も伺いました。
■その構成(鋳型)についての詳しい説明は省きますが
(ご興味のある向きは同書をご覧下さい)
以下にて、おおよそ内容は想像つくかと思います。
(第一幕:ヒーローの決断)
ステージ1:日常の世界
ステージ2:冒険への誘い
ステージ3:冒険の拒絶
ステージ4:賢者(指導者)との出会い
ステージ5:第一関門突破
(第二幕:ヒーローの行動)
ステージ6:試練、仲間、敵対者
ステージ7:最も危険な場所への接近
ステージ8:最大の試練
ステージ9:報酬
(第三幕:行動の結果)
ステージ10:帰路
ステージ11:復活
ステージ12:宝を持っての帰還
■桃太郎だろうが、スターウォーズだろうが、
プロジェクトXだろうが、
人を感動させ、記憶に粘りつき、
語り継がれるストーリーは凡そこの流れに従っており、
過去、現在に生み出された、そして
これから創造されていくであろう小説、映画、ドラマも
みなこの法則に従うことになる、
ということだそうです。
■考えてみたら、本当にその通りなんですね。
小説、映画、ドラマなど全部。
そして私が個人的に啓発、触発された人の人生も
基本的にこういった遍歴をたどっておりました。
「平凡な日常→出会い→困難→努力して克服
→最大の試練→打ち克って帰還」
といった流れ。
あたかもこの流れを理解し、この流れに従って、
自らの人生をデザインしてきたのではないかと思えるくらいに。
■こういった足跡を歩んだ人生の中に、
私は何ものかを感じるのです。
そして感情を揺り動かされ、行動してきた。
ここで更に考えます。
「私の人生も、このような軌跡を描き、
以って、周囲の人に何かの示唆や刺激を与えたい」
そんな想いや志を持っても良いのではないか。
■すなわち、
「他者の物語に刺激を受けた後、今度は反対に、
他者に影響を与える物語を紡ぐことにチャレンジしよう」
そんな風に考えているのです。
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借りたが、一旦保留
まとめ 一覧
2016.3.22 -
「神話の法則」という題名の本を読んだ。
内容は、神話学者ジョゼフ・キャンベルの理論を元に物語を神話学的なアプローチで構築していく為の手引書といった感じだった。
この本を読むまでは知らなかったのだが、ハリウッド映画なんかもこういった神話学的な手法が取り入れたシナリオ構成になっているという事で、
「スターウォーズ」とか「タイタニック」なんかはその典型の様だ。
久しぶりに面白い内容の本を読んだ気がする。 -
ストーリーテラーだけでなく、ビジネス業界においても活用される必読本。
主に映画を例にして解説されているが、少し視点を変えて、自分の人生に当てはめながら読むと面白いし、たくさんの発見があるだろう。
「人格」というものが、不断の変化によって形成されているということがよくわかり、そういう意味では哲学書として位置づけてもいいかもしれない。 -
内容の抜粋は知っていたが、実際に読んでみる前は昔話の型としか思っていなかった。読み終えると、現代でも実に多くの物語が神話の法則に沿っていることに気づかされた。
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過去の映画名作や名作物語を実に明快に、そのストーリー展開や登場人物の役割などを共通事項として解説している。日本で言う、話の起承転結といった枠組みだけでなく、どの場面でどういう役割のキャラクターを登場させるかなど、過去の名作を題材に、パターン分析を行っている。特に、「オズの魔法使い」は、何度も例示にあがり、とても構成の良い名作と理解した。
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引用で見かけるたびに読むのを楽しみにしていた本ですが、読み終わった満足度は期待値120%!内容は神話に代表される、心を動かすストーリーの法則の紹介というところでしょうか。この本こそ物語を書く方程式・フレームワークです。知っている・知らないで大きな違いがあります。
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ジョーゼフ・キャンベルの「線の顔をもつ英雄」などに依拠しながら、神話的な構造がいかにして映画に取りこまれているのかを分析した本。著者はハリウッドで脚本分析などをおこなってきた人。
スターウォーズが神話的要素を持つとはよく言われてきたことだけど、そのほかにもオズの魔法使いを始めいろいろな映画がここでは取り上げられている。
映画や脚本、物語を書こうと思ったり分析的に読もうと思ったりする場合に有用なのはもちろん、より広く日常の中でもこの本で出て来るような仕分けを当てはめられるところがいろいろとあるのではないかと感じた。