- Amazon.co.jp ・本 (113ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750320083
作品紹介・あらすじ
きこえない子どもたちの成長過程における困難とは?絶対多数の聴者社会の中できこえずに生きるとは?「きこえ」の異なる親と子の関係形成とは? 臨床心理士としての数多くの出会いや体験から,聴覚障害者の人格形成における言語=手話の重要性を訴える。
感想・レビュー・書評
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37年間片耳難聴に気が付かず、鬱になったり、人生がどうしてこうもうまくいかないのだろう、どうして飲み会が苦痛なのだろう、とネガティブに生きてきました。たまたま耳鼻科で聴こえていないことが発覚し、運よく手術で、聴こえる状態というのを初めて知りました。初めは、聴こえるって素晴らしいと、感動ばかりしていましたが、いったん落ち着くと、自分の成長過程を振り返ってみたくなりました。声が小さいとか、存在感がないとか、聴こえているふりをしているとか、人間関係をバシバシ切るとか、いろいろ思い当たるふしが出てきたのです。難聴知識を持っているカウンセラーと直接話して振り返ってみたかったが、どうやって見つけたらいいかわからなかったときに調べて購入。文章がとても心に響きました。耳が聴こえないとコミュニケーションに障害が起きることも知ったし、孤独になってしまうことも知り。家族とも意思疎通が図れなくなる、聴こえる人の言葉とは違うのだ、と、聴こえるようになって知った言葉の温かみと過去を比較しながら読みました。たくさんの事例と著者の理解、真摯に向き合う言葉づかいのおかげで、納得できたし、共感したし、ずいぶんと慰められました。
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講義をきく機会があって、とてもよかったので、著書も読みました。
数年前に書かれたものですが、講義の内容とぶれず、ずっと信念をつらぬいて熱く今も活動しているのだなと、素敵です。
内容はきこえない子どもとその親のことです。
どんな方向であれ、きこえない子どもたちが生き生きとしてほしいという願いにあふれています。
そして、大人になってとりもどす人たち、とりもどすこともできずしんどい思いをしてる人たち、
発達さんたちを思わずにはいられません。
共通項は「コミュニケーション」「共通のことば」
何の緊張もなく話せる環境があること、話せる人がいることは、
生きるために絶対に必要なことなんだとわかって、逆に愕然としました。
私には何ができるかしら、と考えます。
とりあえず、自分のためにも、手話はずっと使います。 -
連絡会ニュース NO.114 '05/2/28
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修士論文がうまく進まない頃に、テーマは全く異なるにも関わらず教授が薦めてくれた本です。当事者の生きている現実を生き生きと描写するうえで、いいお手本になりました。
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修士論文がうまく進まない頃に、テーマは全く異なるにも関わらず教授が薦めてくれた本です。当事者の生きている現実を生き生きと描写するうえで、いいお手本になりました。