ことばの発達が気になる子どもの相談室――コミュニケーションの土台をつくる関わりと支援

著者 :
  • 明石書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750341316

作品紹介・あらすじ

わが子のことばの発達の遅れに悩むお母さん、お父さんは多い。本書では、子どものことばの発達に関するさまざまな疑問や悩みに経験豊かな言語聴覚士が的確に答える。ことばを通して社会性を育て、コミュニケーション能力を伸ばしていくための処方箋。

感想・レビュー・書評

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  • 子どもの言葉の発達が気になる親向けの本です。
    「相談室」というタイトルどおり,様々な困りごとについて,著者が1つ1つ回答するというスタイルです。
    目次を見れば,「うちもこういうことに困っている!」というものに出会えるはず。

  • 「相談で1番多い音がカ行、サ行、タ行、ラ行ですが、実はこれらの音は舌のの動かし方をかなり細かくコントロールする力が求められます。」P46


    「親も自分がどんなふうに音を出しているかを理論的に知らないため、子どもに教えるにしても方法がわからないものです。下手に教えるとかえって癖を強化する」P46


    「数字についてもまず数の存在に気づき、順番に数える、量の多少や数について少しずつ興味が出てくることで世界が広がってきます。」P50


    「数がわかるとつい大人は「いくつあるか答える」ことばかりに気を取られ(略)数は増減し変化するといったルールが、何となくでもわかっているかも実は大切」P50


    「考えるよう促せば自分で気づけるのです。そこでできたことをほめられると子どもたちは自分で考え、行動できたことについて自信が持てます。」P59


    「3.4歳前後までの子どもはもともと集中できる時間が短く、遊び方も触覚中心です。視覚や聴覚は物の認識に使いますが、それをじっくり使って遊ぶには大人のリードが必要」P61


    「(4歳を過ぎて…)ルールの存在を理解しているか、理解していても他に気をとられることがあるとルールを忘れてしまうのか、(略)家庭の自由時間のようにルールが決まっていないところだとフラフラしてしまうのか」P62


    「会話の前提のルールがわからないのか、話を聞いて理解する段階でつまずいているのか、ことばに置き換えることが難しいのか、話の筋を追えないのか、過去のことを思い出せないのか」P65


    「「このくらいはわかっているはず」という思い込みを捨てて「どこまでわかっているのか?」という視点で状況を整理」P101

    「指差しをしていないお子さんでしたら、誰かの手を取って対象物のところまで持っていこうとするか、手で何となく物を指しているといった指差しの前段階の行動」

    「指差しの意味に気づいていないお子さんの場合、物を介したやり取りが大事(略)パッケージが貼ってあるカードを取ってこちらに渡すといった関わり」

    「子どもが言いたいことを丁寧に聞いて引き出すといった対応をしていくことで適切な表現を身につけていきます。」

    「お菓子や工作などを作る際には本を見て完成図と手順を確認し、実際の行動を照らし合わせながら進めていくといった、言動を意識化する手助け」

    「無理に時間を取って話しかけるより、むしろ日常生活でのことばのかけ方をわかりやすくしたほうがお互いのコミュニケーションの改善につながります。」

    「「何が何でも」という気持ちになってきたときは、一度「私はなんでこうしてほしいと思うのだろうか?」と自分の気持ちを確認する」

    「私たちだって自分が苦手なことを得意にするのにはとても大変で時間がかかると思います。例えば小さい頃から片付けが苦手だとしたら、そんなにすぐには得意になれませんよね」

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著者プロフィール

言語聴覚士。認定コーチング・スペシャリスト(R)。
上智大学文学部心理学科卒業、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院聴能言語専門職員養成課程卒業。非常勤でさまざまな施設に勤務し、全般的な言語聴覚士サービスについて実務経験を積む。この間、第1回言語聴覚士国家試験を受験し、言語聴覚士資格を取得。その後、常勤で重症心身障害児施設で発達障害児(広汎性発達障害中心)、肢体不自由児(脳性麻痺中心)の言語聴覚療法や発達相談業務に従事。
2005年に重症心身障害児施設を退職後はフリーで活動。原稿執筆、自治体の発育・発達相談業務(委託派遣)、テレビ出演、セミナーや講演などを行う。
著書に、『声と話し方のトレーニング』(平凡社新書、2009年)、『アスペルガーの館』(講談社、2012年)、共著に、梅永雄二編著『仕事がしたい! 発達障害がある人の就労相談』(明石書店、2010年)、石井京子・池嶋貫二・林哲也・村上由美『発達障害の人が活躍するためのヒント』(弘文堂、2014年)。そのほか寄稿多数。

「2015年 『ことばの発達が気になる子どもの相談室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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