行動公共政策――行動経済学の洞察を活用した新たな政策設計

制作 : 経済協力開発機構(OECD) 
  • 明石書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (132ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750344119

作品紹介・あらすじ

米国、英国、欧州連合や他の欧州諸国における行動経済学を活用した規制策政策の事例を紹介するとともに、行動経済学を政策設計にどのよう活用することができるかについて検討する。

感想・レビュー・書評

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  • p16
    行動公共政策は政策設計に対する帰納的な経験的アプローチ
    p17
    規制設計に対する早期の適用においては、行動経済学の3つの原則が強い特徴なっている。第1に、選択は情報の単純化、および選択可能な選択肢の数に左右されることである。第2に、人はより簡便な選択肢、特にデフォレトオプションに惹き付けられることである。第3に、選択肢の顕著性もしくは属性 が、決定に対してどの程度重視されるかである。
    p19
    公正で平等に適用されると認識される規制制度の方が、より遵守される可能性が高い=規制当局は信頼を構築することが必要
    p24
    決定者はデフォルトオプションに引きつけられる。
    ※リバタリアンパターナリズム=ナッジ=うながす
    政策誘導の効果をRCTを用いて検証する。
    過去のデータに頼る政策形成は発展性がない。
    先進的な政策を生み出さない。
    p56
    北欧諸国の政府には、より家父長的な政策立案の歴史がある。
    個人による経済上の決定に関与することに意欲的
    政府への信頼が高い
    p90
    規制デリバリーとは規制の設計のみならず、規制が実施される方法を意味する。
    良き規制デリバリーは、規制が現場でどのように運営されるのかに関する一定の柔軟性およびフィードバックを提供するものでなければならない。
    p102
    良き規制は決定者にとって環境を改善することができる。
    p113
    行動経済学の洞察を活用した公共政策は、法律や規制により、人々の行動を制限するのではなく、人々が自ら適切な行動をとるように促していく政策手法である。
    p115
    ナッジを取り入れ、規則を用いることなしに規制成果を得る。
    p122
    以上、本書が焦点を当てた4つの選択アーキテクチャの適用事例を概観してきた。これらの事例に共通することは、国民を社会として望ましい選択に導くために、もしくは消費者保護のための方策として提示されている諸情報は、人々が熟慮した上での行動を想定した情報ではなく、直感を刺激したり、視覚的に情報を顕在化したり、提示する情報を限定することによって、反射的な行動(もしくは反射的な行動をとらないように)に導くことを意図したものである。
    このような、人々に対する情報の提示の仕方により、社会として望ましい結果を得ることができるのであれば、政策執行者にとっては、法を立法したり規制を導入したりするための政策コストの削減につながるであろう。
    また、政策の受動的立場である国民にとっては、すんなりと受け入れられる政策になりえると言える。なぜなら、最終的な意思決定は当事者である国民本人が行うからである。これこそが、リバタリアン·パターナリズムあによる公共政策の真意であると言えよう。

    以上抜粋の通り今後の行政にとって行動公共政策の重要性は増してくる。

    近年EBPMを取り入れてデータに基づく政策を目指す自治体があるが、行動経済学の視点にかけるものが見受けられる。
    EBPMではなく、DBPM(Dはdate)になり、将来に向かった政策形成になっていない。
    EBPMにとって行動経済学は書くことのできないものである。

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