信頼を測る――OECDガイドライン

著者 : 経済協力開発機構 高橋しのぶ

制作 : 経済協力開発機構(OECD) 

• 明石書店 (2019年12月19日発売)

作品紹介・あらすじ

人びとの暮らしの質や社会の発展にとって信頼が重要なのは言うまでもない。だが、その「信頼」とはどのようなものを指すのだろうか？　「他者への信頼」と「制度・組織への信頼」の二つの側面から、信頼を定義し測定・評価するためのガイドラインを提示する。

感想・レビュー・書評

[bqdqp016さんの感想 · 2020年3月26日]

OECDが、世界各国の「信頼」についての調査方法を示したガイドラインを翻訳したもの。信頼度を国際比較するにあたって、妥当性や信頼性が高い成果物を作るために必要なことを350ページにわたり詳細に述べている。アンケートの設問の作り方やデータ収集の仕方、統計処理の仕方、比較の仕方など、様々な視点から留意すべき事項を書いている。信頼できる精緻な定量分析を行うことがいかに大変かを理解できた。
「（リーダーズ・ダイジェスト社の調査）現地通貨で＄50相当の現金と架空IDの入った財布を、世界の主要都市で「落とし」、戻ってきた割合を調査した。様々な都市で1100個以上の財布が落とされた（1996、2001）。戻ってきた割合が高かったのは、北欧諸国、ニュージーランド、韓国、日本で、低かったのはイタリア、アルゼンチン、メキシコである」p71コラム