差別と資本主義――レイシズム・キャンセルカルチャー・ジェンダー不平等

  • 明石書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750356037

作品紹介・あらすじ

人種やジェンダーをめぐる差別・不平等は、グローバル資本主義の構造と深くかかわって、全世界的な社会分断を生んでいる。差別問題に正面から切り込んだトマ・ピケティの論考をはじめ、国際的な識者たちが問題の深淵と解決への道筋を語る、最先端の論集。

感想・レビュー・書評

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  • ざっくり読み

  • ●これまでの平等に向けた運動は、権利と機会の平等に関する理論的な原則を、人々の出身の問題と切り離して求められていた。そのため、一つの限界が見られた。

  • フランスの論集。訳者解説が詳しい。

  • 出版社(明石書店)のページ
    https://www.akashi.co.jp/book/b627941.html
    内容紹介、目次

    尾上修悟(訳者の一人)による紹介と書評「ピケティらが『差別と資本主義』の深淵と解決への道筋を語る、最先端の論集」(2023.07.26「読書好日」)
    https://book.asahi.com/jinbun/article/14961949

  • フランス又はフランス系の論者たちによる現在の(主にフランスの)格差と差別についての小論集。各者30~40ページくらいのボリュームのためか、または臨時に寄稿された小論のためか、内容に物足りなさを感じる。というかこの本はフランスのただの現状レポートに成り下がってしまっている。
    「左派はもっと危機感を持ってほしい」「まさに今こそ自己批判を武器にして欲しい」と強く感じる。
    巻末著者紹介は、年齢・性差別反対のためか全者記入されていない。

    トマ・ピケティ第一章 現在の格差社会の原因を、特に法律や税金の使い方に現れる「隠れた不平等」に見る。かなり具体的な法律的是正策(特に教育分野)の提案を行う。

    ロール・ミュラ第二章 キャンセルカルチャーのいま、を紹介。是非を問うというより、その実情の分析。論者本人の意見提案が欲しい。

    セシル・アルデュイ第三章 フランスで現在活躍するエリック・ゼムールという反動極右の作家(大統領戦に出馬したほど人気がある)が行う発言への反論集。ゼムールは言葉巧みに歴史を修正して民衆に訴えかける。例えばド・ゴールとヴィシー政権のペタンを双子のように「同じ考えを持った人物」として誘導する。ただ、反論は正当であるようだが、この状況への提案や戦略が無いのは残念。「怨念ツイートまとめ」みたいになってしまっている。

    リュディヴィーヌ・バンティニ第四章 資本主義社会の仕組みが消費社会を生み、貧困と搾取、とりわけ非人道的労働を生む。の所謂「反資本主義論」を展開する。論調はやや煽動的で、陰謀論のような話も出てくる。こちらも「怨念ツイートまとめ」に近いし、反資本主義論であれば、なおさら対案が必要である。唯一対案として出されたのは「コミュニズムの復活」であった。それはいったいどうやって?どんな順番で達成される?この対案の提起だけではとても納得は出来ない。

    フランスでは「ライシテ」という政教分離がある。礼拝の行われる所は補助金の対象にならない。ところが「1905年の施行以前に建設された施設は除外する」という項目がある。そうすると実際はほとんど全ての教会が除外される。これはキリスト教徒に比べ、イスラム教徒にいっそうの不利益を与える48

    「積極的格差是正措置」じつはこの表現が、平等の原則を踏みにじっていることを隠すのに、一役買っている25

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/565080

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著者プロフィール

フランス国立社会科学高等研究院の研究所長、パリ経済学校の教授、ならびにグローバル不平等研究所の共同主宰者。とくにLe capital au XXIe siècle (2013)(山形浩生・守岡桜・森本正史訳『21世紀の資本』みすず書房、2014年)、Capital et Idéologie (2019)、Une brève histoire de l’égalité (2021)の著者として知られる。

「2023年 『差別と資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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