- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750513102
作品紹介・あらすじ
2001年6月8日午前10時過ぎ、宅間守(当時37歳)は用意していた出刃包丁で、附属池田小学校の教室内において次々と、小学校1年、2年の児童8人を刺殺し、児童13人と教諭2人に重軽症を負わせた。
2003年8月、大阪地方裁判所において死刑判決。弁護団は控訴。しかしその後、宅間自身が控訴を取り下げたため、死刑確定。2004年9月、きわめて異例の速さで死刑執行。
著者は、現在までに90件におよぶ刑事事件被告人の精神鑑定をしている。宅間守は、著者にとって33番目の事例である。2002年10月、大阪地方裁判所からの依頼により宅間守の精神鑑定書を作成するにあたり、著者は大阪拘置所において、2002年10月から2003年1月の間に計17回、宅間守と面接した。
本書は、2003年1月、大阪地方裁判所へ提出された精神鑑定書を、ほぼそのまま収載している。
感想・レビュー・書評
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何度も読み返しているのだが、そのたびに、「本当に貴重な資料が世に出たんだなあ…」とつくづく感じ入る。
宅間守の精神構造を垣間見ても、死刑執行すべきではなかったとは全く思わない。
ただ、死刑確定から執行までが早すぎたと強く思う。
宅間守にとって死刑は " 極刑 " ではないのだから。 -
人が人を診ることの限界を感じました。精神医療の更なる発展を願います。
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読んでいて気分がどんよりしてしまった。周囲を災禍に引きずり込むこのような性格の人間はどのようにされるべきなのか。周りの者は不幸だったと思うしかないのか。
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附属池田小事件は、忘れられない事件だ。
その事件を起こした宅間守とは、どういう人間だったのか。
知れば知るほど、人間とは思えない人だ。
なぜ、このような人間になってきたかが、よくわからなかった。
持って生まれた気性なのか、それとも育った環境なのか。
病気のようにも見えるし、性格にも見える。
あんなに早く死刑にしてよかったのだろうか?
どうすれば、彼は改心したのだろうか?
いろいろ考えさせられる本。 -
言葉にならない事件だった。事件後、テレビ画面に映った宅間守の顔は今でも覚えている。
表題にもあるように、最終的にどのような「精神鑑定書」の結論になったか、知りたかったため手に取った。
驚いたのが、この事件前までの累犯の多さ。もう社会生活が不適応だったことが分かる。
それにしてもこういう人間はよく法律を熟知している。 -
精神鑑定医による誠実な所見 興味深く読んだ
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骨のある仕事。