- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750514918
作品紹介・あらすじ
なぜ日本は対米従属の軛を脱することができないのか。
混迷の色を深める日中・日韓関係のゆくえは。
日本の歴史を精神分析することで、「自分たちはどこに立っているのか」「なぜ日本はこうなのか」がくっきりと見えてくる。最良の聞き手を得て、岸田秀が日本の諸問題を縦横に語る。
感想・レビュー・書評
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畢生の大作、的なものになるとずっと期待していたのに期待外れでとても残念です。
同じような本で三浦雅士氏との「一神教vs多神教」や山本七平氏との「日本人と「日本病」について」はとても面白かったのに、この本画も白くならなかったのは聞き手の人によるものであろう。おそらく日本から出たことがないのでしょう、内的自己的な日本帝国を馬鹿にしているが、その己の姿勢が内的自己そのものな事に気が付いていない。客観的な見方ができていないので岸田氏もいつもの話の繰り返しになってしまった。
岸田理論がこれからも受け継がれていくかの試金石だったのに… 返す返すも残念です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間は本能が壊れた動物。
このフレーズは覚えがある。10年以上前に著作を読んだことがあるな。
本能が壊れたからこそ、物語と歴史が必要、と言うのはなるほどと思わせた。そこから人格というものも出てくる。
フロイト派の精神分析学がベースのようだ。
国にもそう言ったものが当てはまる、という発想はわかるし、最近常々感じてはいたところだ。
共同幻想、史的唯幻論の展開も面白いし、解釈としてもだとなところは随分あると思った。
が、この人自身は歴史家でも軍の専門家でも、経済の専門でも、外交の専門でも政治の専門家でもない。
進化論も、進化の途中の化石が見つかってないって、例えばキリンが全員で一斉に今の形に首を伸ばしたんだとか、なんかの例えのつもりかもしれないけど、何言ってんのか判らない。
その裏側に全てフロイト的精神の働きがあるんだというのは構わないんだけど、解釈することと理解することは別。
こうだと思う、こうではないだろうか、という解釈をベースの論を展開するのはトンデモ臭がする。対話形式なのだが、この相手がまた腐臭がして、先輩オタクに仲良く絡むオタク同士の会話みたいで気持ち悪いと感じた。
まだ、こういう形式でない方が良かったかも。
後書きがまた、自分の精神史から分厚く、面倒臭いんで飛ばしてしまった。
歴史、特に戦前戦後あたりを解釈するに、一つの見方として面白いというか、きっとそういうところはあったんだろうと思わせるので、一読するのは良いだろう。